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日本軽金属、雨畑ダム堆砂対策基本計画書を国土交通省に提出

 富士川水系の雨畑ダムは全国のダムの中でも特に堆砂が進んでいるダムです。
 静岡新聞が駿河湾産サクラエビの不漁問題を追及する中で、雨畑ダムの異常な堆砂状況やダム上流の住民が毎年堆砂による水害に苦しめられていることがクローズアップされ、国土交通省は昨年9月、雨畑ダムを管理する(株)日本軽金属に堆砂除去に取り組むよう行政指導を行いました。このほど、日本軽金属は国土交通省に堆砂対策の計画書を提出したとのことです。

 国土交通省の開示資料によれば、雨畑ダムは総貯水容量が1365万㎥で、2017年度末の堆砂量が1244万㎥ですから、今回計画されている300万-400万m3の撤去は全堆砂量の24~32%でしかありません。 
 なお、計画書の提出は5月7日で、日本軽金属のホームページに計画書が掲載されています。

◆2020年5月22日 建設通信新聞
https://www.kensetsunews.com/archives/454040
ー雨畑ダム堆砂対策基本計画書を提出/日本軽金属ー

 日本軽金属は、雨畑ダム堆砂対策基本計画書を関東地方整備局甲府河川国道事務所長に提出したと発表した。同社が保有する雨畑ダムの貯水池上流で浸水被害が発生していることから、早期に浸水・土石流被害を解消するとともに、将来的に雨畑ダム貯水池の機能を確実に発揮することを目指す。基本計画では、短期計画、中期計画、長期計画の3段階に分けて実施すべき内容を位置づけた。

 2020-21年度末を期間とする短期計画では浸水・土石流被害の解消(常時満水位以上の堆積土砂の除去)や浸水・土石流被害を及ぼすと考えられる既堆積土砂の移動・搬出(推定300万m3相当)を目標に▽仮設堤防の建設▽河道の確保▽県道保護盛土工、仮設道路工などに湖内一時活用--などの応急対策や、▽ダム下流部への搬出ベルトコンベヤーの能力増強▽土砂の活用▽継続的堆砂対策の検討--など抜本的対策などを実施する。

 その後、22-24年度末の中期計画は「過去最大規模の土砂流入へ備えた容量確保として堆積土砂300万-400万m3を撤去」、25年度以降の長期計画は「安全な堆砂状態の維持」を目標とする。

◆2020年5月7日 日本軽金属株式会社ホームページより ニュースリリース
https://www.nikkeikinholdings.co.jp/news/news/p2020050702.html
ー雨畑ダム堆砂対策基本計画書 提出についてー

 日本軽金属株式会社(本社:東京都港区、社長:岡本 一郎)は4月30日に雨畑ダム堆砂対策基本計画書を国土交通省関東地方整備局甲府河川国道事務所長に提出しましたので、お知らせします。
 弊社が保有する雨畑ダム(山梨県南巨摩郡早川町)について、2019年8月9日付で国土交通省関東地方整備局甲府河川国道事務所より、雨畑ダムの定期検査結果に関する行政指導を受けました。また、2019 年8月の台風10 号・同年10月の台風19 号などによる豪雨の影響を受け雨畑ダム上流の雨畑川の水位が上昇したことにより周辺地域で浸水被害が発生しました。
 弊社は2019年9月に国土交通省、山梨県、早川町とともに雨畑地区土砂対策検討会(以下、検討会)を設立し、周辺地域における浸水被害発生に対する応急対策、及び堆積土砂の抜本対策について検討を重ねてまいりました結果、雨畑地区の堆砂対策の内容について、国土交通省、山梨県、早川町に同意をいただきました。これを踏まえ、取り纏めました雨畑ダム堆砂対策基本計画書を提出いたしました。
 弊社は、地域の安全確保を最優先とし、雨畑ダム堆砂対策基本計画書に基づき、関係する皆様のご協力もいただきながら、計画を着実に実行してまいります。

*「雨畑ダム堆砂対策基本計画書」
 https://www.nikkeikinholdings.co.jp/news/news/common/pdf/p202005070202.pdf

 以下に基本計画書の内容の一部を転載します。