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石木ダム 議員連盟などが工事反対の抗議文提出

◆2020年7月9日 長崎新聞
https://this.kiji.is/653814839566779489
ー石木ダム 工事費執行停止を 議員連盟などが抗議文ー

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、土地、建物の強制収用に反対する超党派の議員連盟と市民団体「石木ダム・強制収用を許さない県民ネットワーク」が8日、県の本年度当初予算に計上されたダム本体工事費約8億円の執行停止を求める抗議文を、中村法道知事宛てに連名で提出した。
 抗議文は▽強制収用で重大な人権侵害が引き起こされている▽予備調査から半世紀が過ぎた計画は豪雨災害が激甚化する時勢に合っておらず、治水効果の再検証が必要-などと指摘。事業見直しを求めており、月末までに文書での回答を求めている。15日に佐世保市にも提出する予定。
 議員連盟の共同代表でダム建設予定地に住む炭谷猛川棚町議や、坂本浩県議ら10人が県庁で県土木部の天野俊男次長に抗議文を手渡した。炭谷町議は今月の熊本の豪雨災害に触れ、想定以上の雨量に対するダムの安全性に疑問を呈し「地球規模の気候変動への対応はここ2、3年で言われてきたこと。石木ダムも考え直し、方向を変える時期」と強調した。
 県側はダムだけではなく、河川改修や避難計画などを組み合わせて治水対策を進めていると説明。天野次長は「気候変動が大きくなっているからこそダムが必要。理解を得ながら適切に執行していきたい」と述べた。
 8日は、県外中心の111人でつくる「石木ダム建設に反対するみんなの会」が建設中止を求める申し入れも行った。

◆2020年7月9日 毎日新聞長崎版
https://mainichi.jp/articles/20200709/ddl/k42/040/299000c?pid=14613
ー石木ダム、見直し要請 3グループ県庁訪れー

 ダム事業を巡り、建設に反対する市民団体など3団体が8日、相次いで県庁を訪れ、石木ダムの治水効果を再検証し、建設事業を見直すよう要請した。

 要請したのは、国会・地方議員でつくる「石木ダム強制収用を許さない議員連盟」と2市民団体。ダム建設計画は予備調査から半世紀近くが経過し、近年の地球規模の気候変動に見合っていないとして、中村法道知事と佐世保市の朝長則男市長に事業見直しなどを文書で求めた。

 県河川課は「石木ダムは防災・減災に必要。今後も地元の理解を求めていく」としている。水没予定地では県道付け替え工事が進められ、事業に反対する住民らが連日座り込みの抗議活動を続けている。【田中韻】

 
◆2020年7月8日 NHK長崎放送局
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/20200708/5030008275.html
ー石木ダム 工事反対の抗議文ー

 長崎県の今年度予算に石木ダムの本体工事費が計上されたことを受けて、国会議員や地方議員で作る議員連盟は、本体工事に着手しないよう求める中村知事宛ての抗議文を県の担当者に手渡しました。

 長崎県と佐世保市が川棚町で建設中の石木ダムをめぐって、県は、建設に必要なすべての用地の収用を終え、すでに家屋の撤去などを伴う行政代執行の手続きに入れるようになっていて、今年度予算にはダムの本体工事費として、建設予定地の山を掘削するための費用などおよそ8億円を計上しています。

 こうした中、国会議員や地方議員で作る「石木ダム強制収用を許さない議員連盟」と市民団体のあわせて10人が、8日県庁で県土木部の天野俊男次長らと面会し、中村知事宛ての抗議文を手渡しました。

 抗議文では、用地の収用により重大な人権侵害が引き起こされているほか、ダムの治水効果は再検証する必要があり、利水面での評価のあり方や内容などにも多くの問題があるとして、本体工事に着手せず、事業そのものを見直すよう求めています。

 これに対し、天野次長は「今年度は本体工事に着工したい。皆さんの理解を得ながら、予算の適切な執行に努めて参りたい」と述べました。

 面会のあと、議員連盟の共同代表を務める共産党の堀江ひとみ県議会議員は、NHKの取材に対し「知事が行政代執行をすれば、住民のふるさとがなくなることが、あすにも迫っている状況だと引き続き強く訴えていきたい」と述べました。

◆2020年7月8日 テレビ長崎
http://www.ktn.co.jp/news/20200708007/
ー石木ダム工事をめぐり長崎県と反対住民の対立続く…本体工事の着工は?ー

 長崎県は、建設に反対する住民が抗議のため設置したイスなどを撤去するよう求めていますが、住民は撤去期限を過ぎても応じず、にらみ合いが続いています。
 石木ダムの付け替え道路工事の現場付近では8日も住民や支援者が抗議活動を続けていました。

 石木ダムをめぐっては、2019年、土地収用法に基づき建設に必要な全ての土地の権利を長崎県側が取得。
 住民を強制的に立ち退かせる「行政代執行」の手続きも可能になりましたが、今も建設に反対する13世帯が暮らしています。

 住民は、座り込みをしている場所の近くにテーブルやイスなどを設置しています。
 これに対して長崎県は撤去を求めていますが、撤去期限(6月19日)を過ぎても応じていません。

 一方、「石木ダム強制収用を許さない議員連盟」などの団体は長崎県に対して、2020年度予算に含まれる本体工事費の予算の執行停止を求めました。
 石木ダム強制収用を許さない議員連盟 炭谷 猛 共同代表 「堰堤のない治水・利水のあり方をきちんと受け止めてもらいたい」

 長崎県土木部の天野 次長は「予算は議会の議決をもらっている。適切に予算を執行する」としています。
 長崎県は2020年度中にも本体工事を始める構えで、私物の撤去については「自主的に移動をお願いしたい」としています。