熊本、球磨川流域住民ら「ダムありき」の検証委に要望書提出 

 7月の球磨川水害の検証と今後の治水対策に関する国土交通省と熊本県の検証委員会に対して、昨日、熊本県の3市民団体(「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」、「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」、「美しい球磨川を守る市民の会」)が共同で要望書を提出しました。

 市民団体が提出した要望書とコメント等が「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」のフェイスブックに掲載されています。
 https://www.facebook.com/tewatasukai/posts/2196211290525165

★第 1回球磨川豪雨検証委員会に対する抗議 回球磨川豪雨検証委員会に対する抗議 と提言
 第1回検証委員会抗議と提言20200831のサムネイル
(右の画像をクリック)
 
 要望書では、「ダムの危険性の検証」や「検証への住民参加」、「情報公開」などが求められています。

 8月25日に開催された検証委員会(第一回)では、国土交通省九州地方整備局が川辺川ダムが建設されていたなら水害を大きく軽減できたとする分析結果を報告。これを受けて蒲島郁夫熊本県知事が今後の球磨川の治水対策の選択肢に川辺川ダムを加えることを明らかにしました。このままでは、被災した流域住民を置き去りにして、行政主導で川辺川ダム事業が復活することになります。

(参考ページ)⇒「7月の球磨川氾濫、川辺川ダムあれば水量4割減、国交省検証委で報告」

★「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」(人吉市)よりコメント
 共同代表 緒方俊一郎(緒方医院 院長)

 私たちはこれまで、ダムや堤防では治水が不可能であることを指摘してきました。今回の水害では、ダムや堤防が役に立たないだけでなく、流域住民の命と暮らしを危険にさらすことを痛感しました。このような現実を直視せず、ダムありきでの検証を進めること自体、流域住民の命と暮らしを最優先に考えておらず、愚かなことです。
 12年前、県民の大多数のダム反対の民意を受けて、蒲島知事は、「球磨川は県民の宝」としてダム反対表明の英断を下されました。今回も流域住民の声に真摯に耳を傾け、川辺川ダム計画を破棄していただきたいと望みます。
 被災地の避難所では、現在も多くの人が避難生活を余儀なくされています。また、球磨川や支流には、大量の土砂が堆積したまま放置され、目前に迫る台風シーズンと、今回のような線状降水帯が再び流域を襲う可能性を前に、住民の多くは恐怖と不安の中にいます。
 今、最優先に考えるべきは、再び命が失われないためにどうすべきかであり、被災者の暮らしを守ることです。川辺川ダム計画ありきの検証では、流域住民の命と暮らしを再び危険にさらします。 
        

8/31午後、令和2年7月球磨川豪雨検証委員会と委員宛てに「第 1…

清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会さんの投稿 2020年8月31日月曜日

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 関連記事を以下にまとめました。

◆2020年8月31日 NHK熊本 (2分7秒の動画あり)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20200831/5000009806.html
ー球磨川検証委に市民団体が提言書ー

 先月(7月)の記録的豪雨で氾濫した球磨川流域について、熊本県の蒲島知事が今後の治水対策の選択肢にダム建設も含める考えを示したことについて、市民団体が「ダムありきの検証は信頼できない」などとして、県に提言書を提出しました。

 提言書を提出したのは、住民などでつくる市民団体、「清流川辺川を守る県民の会」のメンバーらで、31日県庁を訪れました。

 提言書では、熊本県の蒲島知事が治水対策の選択肢にダム建設も含める考えを示したことについて、「激甚化する気象現象に従来型の治水対策では対応できず、ダムありきの検証では信頼できない」として、ダム建設を議論に含めないよう求めています。

 また国や県でつくる「球磨川豪雨検証委員会」の議論について、「住民参加が欠如したまま検証が進むことを強く危惧する。国や県、首長だけでなく、住民も交えて議論すべきだ」として、住民の意見を検証や対策に反映させるべきだと主張しています。

 提言書を受け取った県の担当者は「速やかに内容を知事に報告し、対応を検討する」と回答しました。

 市民団体の代表の中島康さんは「『ダムがあれば被害を低減できた』とする今までの考えをもとにした議論は捨て去り、激甚化する気象現象を踏まえた新たな対策を考えるべきだ」と話していました。

◆2020年8月31日 共同通信
https://this.kiji.is/673106152647722081?c=92619697908483575
ー「ダムありき」の国見解に抗議 熊本、球磨川流域住民らー

 熊本県の球磨川流域住民らの3団体は31日、川辺川ダムがあれば7月の豪雨被害を軽減できたとする国見解への抗議文を、国土交通省と県などでつくる被害検証委員会に提出した。「検証はダムありきで信用できない」と批判し、住民も検証委に加えるよう求めた。

 川辺川ダム計画はかつて県が反対し、国が中止を決めた経緯がある。国交省は8月25日の検証委で、ダムがあれば、人吉市のピーク時で球磨川の流量を約4割減らせたとする推計を公表。出席した流域自治体首長から、建設を求める声が出た。

 住民団体は、推計の算定根拠が不明で、緊急放流などダムの危険性が全く検討されていないと指摘した。

◆2020年9月1日 西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/640575/
ー「ダムありき」県に抗議 市民団体が検証委に住民参加要請ー

  国と県、球磨川流域12市町村による7月豪雨の検証委員会を巡り、熊本県内の市民団体が31日、県庁を訪れ、建設中止となっている川辺川ダムを「選択肢の一つ」とする委員会の姿勢について「ダムありきの検証が流域住民を危険にさらす」と抗議。ダムのリスク面の検証や検証委への住民参加など9項目の「提言」を文書で提出した。

 文書は「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」の中島康代表(80)ら3団体の連名。住民不在の検証に懸念を示し、「住民への説明責任と合意形成のプロセスを放棄した検証委の進め方は再び流域に対立と混乱をもたらす」と主張した。

 その上で、7月の豪雨をもたらした線状降水帯について「どの河川、どの支流に水量が集中し、どうピーク流量を算出したのか」といった災害の様相の検証を要請。ダムの構造的なリスクや、地域ごとに異なる水害発生の要因についても検証するよう求めた。

 市民団体側は「被災地の声を聞かずに検証ができるのか」「ダムのデメリットも検証しないと市町村長は判断できない」と指摘。県河川課と球磨川流域復興局、川辺川ダム総合対策課の職員が受け取り、「知事に伝える」と応じた。 (古川努)

◆2020年9月1日 毎日新聞熊本版
https://mainichi.jp/articles/20200901/ddl/k43/040/343000c
ー「ダムの危険性検証を」 「川辺川」反対市民団体など 国、県の検証委に要望書 ー

 川辺川ダム建設に反対する熊本県の市民団体「子守唄(うた)の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」(中島康代表)など3団体が31日、7月の豪雨で甚大な被害をもたらした球磨川の治水対策を考える国と県の検証委員会に対し、ダムの危険性を検証するよう求める要望書を提出した。

 8月25日にあった検証委の初会合で、国土交通省は球磨川支流の川辺川にダムが建設されていた場合、下流にある同県人吉市での球磨川のピーク時の流量を約4割減らせたとする推計を示している。

 要望書では流量の算出根拠や検証委への住民参加など9項目を求め、「検証はダムありきで信用できない。住民不在で議論を進めるのはおかしい」と指摘。応対した県球磨川流域復興局の担当者は「要望は速やかに知事に伝える」と話した。【城島勇人】