「ダム建設含め治水対策を」 球磨川流域の12市町村長が要望書

 球磨川水害を機に、中止された川辺川ダム計画が復活しようとしています。
 政治の動きも活発で、ダム推進を主導する流域の首長らによる熊本県への働きかけが報道されています。

◆2020年9月16日 熊本日日新聞
ー錦町長「川辺川ダム造るべきだ」 熊本豪雨を受けてー

 7月の豪雨災害を受けて議論が再燃している川辺川ダム建設計画の賛否に関して、熊本県錦町の森本完一町長は15日、9月定例町議会の一般質問に答え「ダムを造るべきだと考えている」と明言した。豪雨後、球磨川流域市町村長でダムの賛否について意思表明したのは初めて。
 森本町長は、球磨川の氾濫で流域に甚大な被害が出たことに言及。8月の球磨川豪雨検証委員会で、川辺川ダムがあったと仮定した場合、人吉地点のピーク流量が毎秒7500トンから毎秒4700トンに抑えられたとする推計を国が示した点に触れ、「約60人の尊い命が失われたことが現実。ダムで1割でも2割でも水位が下がるのであれば造るべきだ」と説明した。
 球磨川流域12市町村でつくる川辺川ダム建設促進協議会長を務める森本町長はまた、昨年6月に国と県が示したダムによらない治水10案について「工期、工費ともに非現実的だった」と述べた。
 同協議会は8月の総会で、ダム建設を含めた治水対策を求める決議を全会一致で採択している。(小山智史)

◆2020年9月18日 西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/645980/
ー「ダム建設含め治水対策を」 球磨川流域の12市町村長が要望書ー

 熊本県の球磨川流域12市町村でつくる「川辺川ダム建設促進協議会」(会長・森本完一錦町長)は17日、復興の前提となる治水の方向性を早急に示し、ダム建設も含めた抜本的な対策を実行するよう求める要望書を蒲島郁夫知事に提出した。蒲島氏は「スピード感を持って方向性を定めたい」と応じ、流域住民から意見を聴く機会を設ける考えを明らかにした。

 要望書では「異常気象が頻発化し、想定を超えた洪水がこれからも起こり得る」として「将来に向かって安全・安心に生活できる治水対策が示されなければ、生活再建を描けず、まちづくりも進まない」と訴えた。

 その上で、国、県と流域市町村でつくる豪雨検証委員会に触れ、「ダムの有効性が認められた際には、目標時期を定め、川辺川ダム建設事業を含めた、あらゆる対策に直ちに取り組む必要がある」とした。

 要望書の提出後、蒲島氏は出席した市町村長と意見交換。竹崎一成芦北町長は「『ダムありき』『ダムなしありき』ではない、科学的で総合的な判断」を求めた。松岡隼人人吉市長は「中心市街地が広く浸水し、安全に対する不安が心の底にある」と住民の心情を代弁し、「あらゆる手法を除くことなく、広域的な治水を」と要望した。

 同協議会は8月、流域の全12市町村長連名で「ダム建設を含む抜本的な治水対策を講ずるべきだ」と決議。蒲島氏は決議と今回の要望について「流域市町村長の総意。大変重く受け止める」と述べる一方、「球磨川流域の方々の声をお聞きしたい」と民意の把握にも意欲を示した。

 森本氏は意見交換後の取材に「ダムによらない治水は『工期100年』『事業費1兆円』と非現実的だった」と強調。仮にダム建設の方向性が決まった場合の合意形成について「できる。まとめていかないといけないと思っている」と述べた。

◆2020年9月18日 熊本日日新聞
ー治水対策、早急に実施を 川辺川ダム建設促進協、熊本県に要望ー

 球磨川流域12市町村でつくる川辺川ダム建設促進協議会(会長・森本完一錦町長)は17日、7月豪雨で氾濫が相次いだ同流域の抜本的な治水対策を早急に求める要望書を熊本県に提出した。

 要望書では、豪雨災害の検証が終わっていないことを踏まえ、計画が中止された川辺川ダムについては、「検証結果で同ダムの有効性が認められた場合は、ダム建設を含めた治水対策に直ちに取り組む必要がある」と、条件付きで建設促進に言及した。

 10市町村の首長や副町長が県庁を訪れ、森本会長が蒲島郁夫知事に要望書を手渡した。森本会長は「二度とこのような災害が起きないよう万全の対策を講じる必要がある。データに基づく科学的な検証に取り組んでほしい」と訴えた。人吉市の松岡隼人市長ら出席者からも「住民の不安を払拭[ふっしょく]し、復興まちづくりを進めるために、早急な治水対策を」との要望が相次いだ。

 蒲島知事は「市町村長の総意として大変重く受け止めている。スピード感を持って取り組む」と述べた。
 同協議会は8月20日、同ダムの効果を含めた検証と、ダムを含めた抜本的な治水対策の実施を求める決議を採択している。(野方信助)

◆2020年9月18日 毎日新聞熊本版
https://mainichi.jp/articles/20200918/ddl/k43/040/353000c?pid=14613
ー九州豪雨 川辺川ダム含め治水対策を要望 知事に促進協ー

 九州豪雨で氾濫した球磨川の流域12市町村でつくる「川辺川ダム建設促進協議会」は17日、国と熊本県、流域市町村が豪雨被害を検証する委員会でダムの有効性が認められた場合、目標時期を定め川辺川ダム建設を含めた治水対策に取り組むよう県に要望した。

 促進協会長の森本完一・錦町長は「安全安心に生活できる治水対策が示されなければ生活再建もまちづくりも進まない。知事には科学的なデータに基づく検証をお願いしたい」と訴えた。この日は10市町村の首長らが出席し、相良、球磨両村長は村議会への出席などを理由に欠席した。

 市町村長と面会した蒲島郁夫知事は「重く受け止めている。検証結果を踏まえ治水の方向性を早く決めたい」と述べた。【城島勇人】