球磨川の治水検証に住民の声を 川辺川ダム反対市民団体が要望書

 7月の球磨川水害を機に、2009年以来中止されていた国交省の川辺川ダム計画が復活しようとしています。
 流域住民を置き去りにした動きに危機感を強めている熊本の三つの市民団体は、このほど県知事ならびに球磨川豪雨検証委員会あてに要請書を提出しました。
 要請書が三団体の一つ「川辺川を守る県民の会」のサイトに公開されています。

minitouikennsyo20200923のサムネイル 以下のURLまたは右の画像をクリックすると、要請書が表示されます。
 https://yamba-net.org/wp/wp-content/uploads/2020/09/minitouikennsyo20200923.pdf
  
 要請書を提出した市民団体の参加者からは、検証委員会の検証の進め方に対する問題点や不信感、被災者当事者を置き去りにした検証のあり方への抗議と要請が行われたそうです。
 要請書に書かれているように、民意を問うとの蒲島熊本県知事の発言は歓迎しつつも、「終始一貫してダム建設を推進してきた国交省を主体とした検証に、中立性、公平性が保たれているとは到底考えられ」ないことから、「 民意を問う検証には、国交省以外の視点を取り入れ、中立性、公平性を担保すること」、「 民意を問う前に県・国は説明責任を果たし、公平性と透明性を確保すること」を求めています。

 10月上旬に開かれるとされる第二回検証委員会では、第一回の検証委員会で国交省が報告した洪水流量(速報値)の根拠や精査した数字も出されるようで、市民団体は引き続き、注意深く監視していくとのことです。

 関連記事をお伝えします。

◆2020年9月24日 熊本日日新聞
https://this.kiji.is/681671827694453857?c=92619697908483575
ー球磨川治水検証、豪雨被災者参加を 川辺川ダム反対派、熊本県に要請ー

 川辺川ダムに反対する三つの市民団体は23日、7月の豪雨災害を受けて、熊本県が球磨川治水の方針を示す前に、多様な視点からの検証と、被災者も参加できる意見交換会の開催を求める蒲島郁夫知事ら宛ての要請書を県に提出した。

 「子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」(熊本市)、「清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会」(人吉市)、「美しい球磨川を守る市民の会」(八代市)の3団体。

 3団体は、国と県、流域12市町村長が進める現在の検証では「被災者が置いてけぼりになっている」と主張。また、川辺川ダムが「治水に最も有効」とする国土交通省主体の検証では「中立性、公平性が保たれない」として、異なる視点の専門家や市民グループの検証参加を求めた。

 知事が球磨川治水について「民意を問う」と表明した点は評価する一方、「方針がまとまってから民意を問うのでは遅い」として、被災者らが参加できる意見交換会や説明会の開催を求めている。

◆2020年9月24日 毎日新聞熊本版
https://mainichi.jp/articles/20200924/ddl/k43/040/297000c
ー九州豪雨 球磨川の治水検証に住民の声を 市民団体が委員会に要望書ー

 川辺川ダム建設に反対する熊本県の市民団体「子守唄(うた)の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」(中島康代表)など3団体が23日、7月の九州豪雨で甚大な被害をもたらした球磨川の治水対策を考える国と県の検証委員会に対し、専門家や住民の意見も取り入れて検証するよう求める要望書を提出した。

 要望書では、ダム建設を推進してきた国土交通省主体の検証では中立性、公平性が保たれないと指摘。蒲島郁夫知事や検証委に対し、多角的に専門家や住民の意見を交えて検証するよう要請。流域住民向けの説明会や意見交換会の開催も求めた。応対した県担当者は「要望は知事に伝える」と述べた。【城島勇人】

◆2020年9月23日 NHK熊本放送局
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20200923/5000010071.html
ー住民交えた議論求める要請書提出ー

 7月の豪雨災害を受け、現在、国や県がこれまでの治水対策などの検証作業を進めていますが、これに対し市民団体が23日、住民との意見交換会を開くなど、ともに議論したうえで今後の治水対策の案を策定するよう求める要請書を提出しました。

 要請書を提出したのは、市民団体「清流川辺川を守る県民の会」のメンバーなど、6人です。

 7月の豪雨災害を受け、国や県などは委員会を設置して、氾濫した球磨川の治水対策などについて検証作業を進めていて、年内に検証結果と今後の対策の方向性を示すことにしています。

 これについて要請書では、「今回の水害の当事者である被災した人たちからの疑問や意見に答えないまま、検証が進み、ダム整備の是非だけが問われようとしていて、不満の声が挙がっている」としています。

 そのうえで、国や県などの限られたメンバーだけで議論を進めるのではなく、被災した人など、県民の参加が可能な説明会や意見交換会を開催し、ともに議論したうえで対策案を定めるべきだと要請しています。

 「県民の会」の代表の中島康さんは「一方的に検証をして、民意を問うとするのではなく、じっくり膝を交えて話し合う場を設けたうえで、案を策定していって欲しい」と話していました。

◆2020年9月23日 くまもと県民テレビ
https://www.kkt.jp/nnn/news163014101.html
ー川辺川ダム 被災住民の声反映をー

 人吉球磨地方を襲った7月の豪雨で川辺川ダムの再検討が浮上する中、ダム計画に反対する市民グループが「被災住民の声を聞いた上で検証を進めてほしい」と知事に要望した。

 申し入れをしたのは川辺川ダム計画に反対する3つの市民グループ。申し入れによると今回の水害を受けて始まった県の検証委員会は、ダムを推進している国土交通省を主体とした検証になっていて公平性が保たれていないとしている。そのうえでダム推進とは異なる立場の専門家や市民グループの意見を加えて多様な視点から検証を行うよう求めている。

 また蒲島知事が川辺川ダムについて「民意を問う」という発言をしたことを受けてどのように意見を聞くのか県の説明を求めた。

 子守唄・五木を育む清流川辺川を守る県民の会・中島康代表
「水害を体験した人たちが自分たちが、置き去りにされているという気持ちが非常に強い。じっくり膝を交えて説明する、そういう問い方をしないと本当の民意を問うことは不可能だと思う」

 県は来月上旬に2回目の検証委員会を開催する予定だ。