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川辺川ダム 賛成29% 反対34% 豪雨被害の球磨川流域住民 建設に慎重論

 共同通信が球磨川流域住民300人に川辺川ダム建設の是非をアンケートした結果についての記事を毎日新聞が掲載しています。
「流域市町村の首長がダムを柱とした治水策を求める中、住民間では慎重論が根強く、賛否も拮抗していることが浮き彫りになった。」とまとめられています。

 自宅や営む事業所が被災した180人のうち、反対は計37%(67人)、賛成は計26%(47人)、一方、被災していない残る120人のうち、反対は計30%(36人)、賛成は計33%(40人)で、被災者の方がダムは不要と回答した割合が高いという結果です。

◆2020年10月29日 毎日新聞西部朝刊
https://mainichi.jp/articles/20201029/ddp/041/040/007000c
ー川辺川ダム 賛成29% 反対34% 豪雨被害の球磨川流域住民 建設に慎重論ー

 7月の豪雨で氾濫した熊本県・球磨川の治水策に関し、共同通信が流域住民300人に支流での川辺川ダム建設の是非をアンケートした結果、「不要」「やや不要」の反対意見を選んだ人は計34%(103人)で、「必要」「やや必要」の賛成計29%(87人)を上回った。

 「どちらとも言えない」は37%(110人)。300人のうち豪雨による被災者が180人いたが、同様の傾向だった。流域市町村の首長がダムを柱とした治水策を求める中、住民間では慎重論が根強く、賛否も拮抗(きっこう)していることが浮き彫りになった。

 アンケートは、浸水被害が出た人吉市や球磨村など7市町村で10~23日、対面形式により20~90代の住民に実施した。

 熊本県の蒲島郁夫知事は2008年、ダム建設に反対を表明、翌年に民主党政権が中止の方針を決めたが、豪雨後に建設の是非を巡る議論が再燃した。

 生活再建を急ぐ蒲島氏は、復興計画の前提となる治水の方向性を年内に示す方針。アンケート結果に関し、蒲島氏は28日、取材に「流域の生命財産と清流の恵み、両方を最大限守れる対策を講じたい」と述べた。

 反対意見の内訳は「不要」78人、「やや不要」25人。記述式で理由を尋ねたところ「清流を守りたい」「ダムでは被害を防ぎきれない」との声が目立った。

 賛成意見のうち「必要」は46人、「やや必要」は41人。「ダムがあれば水量を調整できる」「氾濫が怖い」という声が多かった。6割超に当たる56人は「豪雨後に必要性を感じるようになった」と回答。豪雨を経験し、賛成に転じた人が一定数いたことも判明した。

 「どちらとも言えない」と答えた人は「ダムに翻弄(ほんろう)された歴史があり賛否は示せない」「ダム以外の対策も講じるべきだ」などを理由に挙げた。

 自宅や営む事業所が被災した180人のうち反対は計37%(67人)、賛成は計26%(47人)。被災していない残る120人のうち、反対は計30%(36人)、賛成は計33%(40人)で、被災者の方がダムは不要と回答した割合が高かった。

 7市町村は八代市、人吉市、芦北町、錦町、相良村、球磨村、あさぎり町で、7市町村の人口は計20万1443人(10月1日現在)。八代市は被害が甚大だった坂本町地区で調査した。