大戸川ダム、京都容認 凍結解除手続きへ

 西脇隆俊京都府知事は2月8日、大戸川ダムについて「治水事業の一つとして議論の俎上に載せてもよい」と述べました。今回の西脇知事の発言により、大戸川ダム建設への障害はなくなります。
 国土交通省が淀川水系に計画した大戸川ダムは、受益者として事業費を負担することになっていた淀川流域4府県が2008年に建設凍結を求める共同見解を発表しましたが、近年になって三重県、滋賀県が推進にまわり、大阪府も先月、吉村知事が方針転換を表明し、京都府の去就が注目されてきました。

 西脇知事は「(同ダムの必要性が)なかなか府民に分かりにくい」述べているということですが、京都府民にとって大戸川ダムの治水効果はほとんどないのですから、わかりにくいのは当然です。必要性が希薄なダムが推進されようとしています。

〈参考記事〉「京都府の有識者委、大戸川ダム「必要」提言」

◆2021年2月9日 毎日新聞大阪朝刊
https://mainichi.jp/articles/20210209/ddn/041/010/024000c
ー大戸川ダム、京都容認 凍結解除手続きへー

 国が建設を凍結した淀川水系・大戸川(だいどがわ)ダム(大津市、総貯水容量約2200万立方メートル)について、京都府の西脇隆俊知事は8日、府庁で記者団に「必要性、緊急性とも高まっており、議論の俎上(そじょう)に載せてもよい」と述べ、凍結解除を容認する考えを示した。2008年に建設凍結を求める共同見解を発表した4府県のうち滋賀、京都、三重が容認に転換。大阪府の吉村洋文知事も建設容認の意向を示しており、凍結解除に向けた手続きが動き出すことになる。

 大戸川ダムを巡っては、京都府の有識者会議(委員長=中北英一・京都大防災研究所教授)が4日、「(下流の京都府宇治市にある)天ケ瀬ダムの洪水調整機能を強化するため、大戸川ダムの必要性が明確になった。緊急性も高い」などと府に提言していた。西脇知事は8日、「淀川水系全体の河川計画の中で議論すべきであり、事業主体の国が原案を示すべきだ」と注文を付けた。

 国土交通省近畿地方整備局は今後、兵庫、奈良を含めた淀川流域6府県による会議を開く。住民への意見聴取などダム建設凍結の解除に向けた手続きが始まる見通し。【大川泰弘】

◆2021年2月8日 京都新聞
https://this.kiji.is/731465027205464064?c=39546741839462401
ー大戸川ダム建設、京都知事が議論応じる姿勢表明 専門家検討会の提言受けー

 国が事業を凍結している大戸川ダム(大津市)について、京都府の西脇隆俊知事は8日、「治水事業の一つとして議論の俎上(そじょう)に載せてもよい」と述べ、建設するかどうかの議論に応じる姿勢を明らかにした。同ダムを巡っては、関係する滋賀、大阪の両府県知事が建設に前向きな考えを示している。

 専門家でつくる府の技術検討会(委員長・中北英一京都大防災研究所教授)が4日、同ダムの必要性、緊急性を示す内容の提言を府に提出。これを受け、府庁(京都市上京区)で記者団に見解を語った。

 西脇知事は「(同ダムの)必要性が高まっていることはある程度理解できるが、なかなか府民に分かりにくい」とした。その上で「(淀川水系の)河川整備計画にどう位置付けるか、さらに議論を深めていただきたい」との考えを述べた。

 同ダムは滋賀県南部を流れる大戸川で国が計画する治水専用ダム。関係する京都と滋賀、大阪、三重の4府県知事の「優先順位が低い」とする意見に沿い、09年に国が事業を中止した。だが、19年4月に滋賀県の三日月大造知事が国に整備を求める方針に転換。今年1月には大阪府の吉村洋文知事が建設を容認する考えを示した。

◆2021年2月8日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJB086850Y1A200C2000000/
ー大戸川ダム「議論の俎上に」 京都府知事も凍結解除容認ー

 本体工事が凍結されている淀川水系の大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)の建設計画について、京都府の西脇隆俊知事は8日、「河川整備計画を変更する際には大戸川ダムを議論の俎上(そじょう)に載せていいと考えている」と述べ、事業再開を容認する方針を明らかにした。淀川水系6府県すべてが凍結解除を容認する方向で一致したことになり、事業主体である国は河川整備計画を見直したうえで各府県に原案を提示する。

大戸川ダムは琵琶湖から発する瀬田川の支流、大戸川に国が計画している治水ダム。建設を巡っては兵庫、奈良の2県を除く、滋賀、京都、大阪、三重の4府県知事が2008年に中止を求める意見を表明し、09年に国が事業を凍結していた。京都府が容認の方針を示したことにより、ダムの本体工事が12年ぶりに再開へ動き出す。

事業の凍結解除に向けては大阪府の吉村洋文知事が1月、治水効果を認める河川整備審議会の答申案を踏まえ、「前向きに考えていきたい」と発言。京都府でも4日に有識者検討委員会から「大戸川ダムの必要性、緊急性が高まっている」とする提言を受け取り、府としての対応を検討していた。