国交省北海道開発局の2ダム、事業費520億円増で開発局長陳謝

 国土交通省北海道開発局が進める二つのダム事業、新桂沢ダムと三笠ぽんべつダムについて、北海道新聞が4回目となる計画変更で総事業費が520億円増の1670億円に膨らむと報道しています。

 幾春別川総合開発事業は、1957年に完成した北海道で最初の多目的ダムである桂沢ダムを嵩上げする新桂沢ダムと、幾春別川の支流である奔別川に三笠ぽんべつダムを新たに建設する事業です。

★国土交通省幾春別川ダム建設事業所ホームページ
 https://www.hkd.mlit.go.jp/sp/ikushunbetu_damu/kluhh4000000bqxz.html

 新桂沢ダムの総貯水容量は1億4730万㎥、三笠ぽんべつダムの総貯水容量は862万㎥です。既設の桂沢ダムの総貯水容量は9270万㎥ですから、新桂沢ダムは約1.6倍に増えます。ちなみに八ッ場ダムの総貯水容量は1億750万㎥です。

★新桂沢ダムの諸元 
 https://www.hkd.mlit.go.jp/sp/ikushunbetu_damu/kluhh4000000c8e6.html

★三笠ぽんべつダムの諸元 
 https://www.hkd.mlit.go.jp/sp/ikushunbetu_damu/kluhh4000000e0tx.html 

 事業者のホームページには工期も事業費も書かれていませんが、嶋津暉之さん(水源開発問題全国連絡会共同代表)が幾春別川ダム建設事業所に問い合わせたところ、両ダム事業ともに工期が大幅に遅れていて、新桂沢ダムは2023年度、三笠ぽんべつダムは2030年度に完成予定とのことです。
 目的は新桂沢ダムが洪水調節、水道、工業用水道、三笠ぽんべつダムは洪水調節です。どこまで必要性があるのでしょうか?

◆2021年2月17日 北海道新聞
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/512506
ー三笠の2ダム事業費増を陳謝 開発局長「見通しが甘かった」ー

 開発局の倉内公嘉局長は17日の記者会見で、三笠市内に二つのダムを建設する「幾春別川総合開発事業」を巡り、4回目となる計画変更で総事業費が520億円増の1670億円に膨らむことについて「見通しが甘かった。率直におわびしたい」と陳謝した。事業費に関しては「今後の掘削などの結果、安くなる部分も出ると思う」と述べ、縮減に努める考えを示した。

 一方で、倉内局長は地元自治体や住民が水害への懸念などからダムの早期整備を求めていると強調。「地域の安全を守るため、整備は必要」と述べ、事業への理解を求めた。

 事業の計画変更は胆振東部地震に伴う対策追加などが理由。事業費は当初計画の2倍以上となり、負担増となる道や道議会からは不満の声が出ている。

 倉内局長はまた、情報通信技術(ICT)を活用し、通常は2人で担っているロータリー除雪車の操作を1人で行う「ワンマン化」について、2022年度から実用化する方針も明らかにした。(内藤景太)

◆2021年2月18日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/CMTW2102180100001.html?pn=5
ー三笠2ダム、事業費520億円増ー

 北海道開発局が三笠市に新桂沢ダムと三笠ぽんべつダムを建設する幾春別川総合開発事業計画について、倉内公嘉局長は17日の記者会見で、現行計画より総事業費が520億円増え、工期も7年延びると説明した。同事業の増額は4度目となる。

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 増額で事業費は1670億円に、工期は2030年度までになる見込み。増額分のうち、新桂沢ダムが約308億円、三笠ぽんべつダムが約210億円。胆振東部地震で発生した被害への対応や、資材価格と人件費の急騰などが理由という。

 同事業は、洪水調節や水道、工業用水の供給、発電を目的に1985年度から始まった。当初の事業費は約700億円だったが、3度の増額で2018年度には約1150億円となった。15年度には新桂沢ダムが着工したが、三笠ぽんべつダムは未着工のままだ。

 事業費のうち北海道は167億4400万円を負担することが決まっている。さらなる増額が適当か判断するため、道は昨年9月に開発局と連絡協議会を設けた。倉内局長は今後について、道知事に意見を照会するとともに、道に対し掘削工事を進めるなかでコストを最大限縮減することを説明していくという。

 (原田達矢)