青森県は青森市で駒込ダムを建設しています。
駒込ダムの建設地は、青森市の市街地を貫く堤川の支川、駒込川の上流です。総貯水容量は780万㎥です。
https://ad-hzm.jp/komagomedamu/overview.htm
現在進めているのは仮排水トンネルとのことです。仮排水トンネルとは、ダム堤を建設するために、川の流れを本来の所から移すためのバイパストンネルです。
すでに仮排水トンネルの工事に着手していながら、ダム完成にこれから10年かかるというのは、かなりゆっくりしたペースです。駒込ダムは「大規模な洪水から市民生活を守る」ことが目的と記事にありますが、それが事実だとすれば、10年もかけるわけにはいかないでしょう。
ダム建設所長によれば、駒込ダムは青森県で最後のダムになるということです。これまでダム建設による水害防止が過大にアピールされてきましたが、ダムによる効果は極めて限定的ですから、ダム完成後、ダム以外の新たな治水対策が必要になるでしょう。
関連記事を転載します。
◆2021年10月25日 東奥日報
https://news.yahoo.co.jp/articles/acf184f4f88f5fa85e0cc3c66a656184ae8838d1
ー青森・駒込ダム、建設着々 八甲田山中、100年に1回規模の洪水対処ー
青森市駒込地区で青森県が建設を進める多目的ダム「駒込ダム」の建設現場で15日、報道関係者などを対象とした見学会が開かれた。
ダムは同市の駒込川と堤川の下流域の洪水調節などを目的とし、建設地は両河川の合流地点から上流約21キロの八甲田山中。総貯水容量780万立方メートル、長さ約290メートル、高さは県管理の中で最大の84.5メートルとなる重力式コンクリートダムで、2002年度から工事用道路、19年度から本体工事に着手、31年11月の運用開始を目指している。
現在は24年度から始まる堤体工事を前に、川の流れを迂回(うかい)するための仮排水トンネル工事や地質調査、本体付近まで資材・機材を運ぶための道路工事などを行っており、完成後は下湯ダム、横内川多目的遊水地と連携し、約100年に1回発生すると予想される規模の洪水に対し安全を確保できるという。
東青地域県民局駒込ダム建設所の工藤勉所長は「役割を一日でも早く果たせるよう作業を進めたい」と話した。
◆2021年10月15日 日テレ
https://www.news24.jp/nnn/news108urm2pgk6gfvb6tsa.html
ー駒込ダム建設工事 完成は10年後ー
大雨で毎年のように発生する河川氾濫(はんらん)などの災害を、水系全体で大規模な洪水から市民生活を守るため建設しています。青森市の「駒込ダム」はおととし3月に着工して以来、初めての現場見学会か行われ工事の進み具合か報道関係者に公開されました。
★青森放送 菅原厚
「八甲田の山中に来ています。青森市の駒込川上流、あのあたりに駒込ダムか建てられます」
おととし3月に着工した駒込ダムは谷の地形を利用して工事か進められており、進み具合は現在3割ほどです。工事期間か長期に渡るためダムエ事の状況を知ってもらおうと県が報道関係者に公開しました。長さ290、1メートル、高さは84、5メートルと県か管理する中で最も高いダムになります。総事業費は450億円を見込んでいます。百年に一度の大規模な洪水から青森市内を守る役割のほかに環境保全やかんがい用水の確保、それに年間2万500世帯分の発電も担います。現在は工事用道路がほぼ完成し、ダム本体を作るために欠かせない川の水を通す仮の排水トンネルを掘る工事か行われています。
★「ダム本体を工事のために必要な駒込川の水を流すためのトンネルの建設工事か進められています」
3年後を見越したトンネル工事か終わるとダム本体の基礎掘削工事へと進みます。狭く急な地形での難しい工事か続くのと、冬の朋間は工事かできないことから完成は2031年度、10年後を見込んでいます。
★駒込ダム建設所工藤勉所長
「多少遅れている工事もありますけれども、おおむね順調に進んでいます。おそらく青森県最後のダムになると思っていますし、これか最後のダムとして記録していくこともまた重要だと思っております」
県は今後、工事の進み具合を広報し来年度以降に一般向けの見学会を定朋的に開くなど県民に向けて周知していく予定です。