長崎県の大石知事、石木ダム予定地を再訪

 2月の長崎県知事選で初当選した大石賢吾知事、石木ダムの予定地を再訪したことがニュースになっています。
 前知事は石木ダムの建設に反対している住民13世帯と対話が成り立たない状態でした。新知事がダム建設の見直しを決断することが期待されていますが、大石氏も選挙の際は支援する自民党の意向を汲んで、石木ダムの早期完成を公約に掲げていました。
 住民と知事との微妙な緊張関係がニュースを通じて伝わってきます。

◆2022年4月22日 長崎新聞
ー大石知事 石木ダム建設予定地を再訪 反対住民と1時間歩き「古里は尊い」ー

 大石賢吾知事は20日、長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダムの建設予定地を訪れ、水没予定地に暮らす反対住民と共に見て回った。終了後、記者団に「この土地を思う気持ち、豊かな自然に触れ、古里は尊いと認識した」と感想を述べ、工事中断を求める思いも含め「この次はしっかりと話を聞きたい」とした。
 ただ、「(古里の尊さと)ダムの必要性は切り離した話になる」との考えも示した。

 知事就任後、住民と初面会した3月10日に続き、2回目の訪問。住民11人が同行し、約1.5キロを1時間かけて歩いた。
 住民の岩下すみ子さん(73)らが写真を見せながら、ホタルが飛び交う光景や子どもが石木川で遊ぶ様子などを説明。「この風景を大事にしたい」と訴えた。
 知事は耳を傾けながらメモを取った。この土地を守ってきた先祖に「心苦しく思っていることを伝えたかった」として墓地にも出向き、持参した線香を供え手を合わせた。

 すみ子さんの夫和雄さん(75)が「工事を止めて話し合いの場を設けてほしい」と求めると、知事は「しっかりと話を聞きたい」と応じた。同行後、すみ子さんは記者団に「(知事の行動は)パフォーマンスでないと信じたい。わずかでも(ダム建設断念の)希望を持ちたい」と話した。

 県は知事の現地訪問中の工事を中断した。知事は住民の理解と協力を得て、円滑にダム事業を推進する方針を示している。

◆2022年4月20日
ー大石知事 住民と石木ダムの予定地を視察 川棚町ー

 長崎県の大石知事は20日、川棚町で建設が進む石木ダムの予定地を住民に案内されながら視察し、今後は住民からダム建設に関する考えを聞く場を設けたいという意向を示しました。

 川棚町の石木ダムをめぐっては、長崎県は建設に必要なすべての用地の収用を終え、家屋の撤去などを伴う行政代執行の手続きに入れる状況になる中、地元住民などは反対運動を続けています。

 大石知事は20日、先月、地元住民との面会で住民側からの「地元を歩いてほしい」という要望に応じる形で、住民に案内されながら1時間ほど建設予定地の川原地区を視察しました。

 住民は、石木川沿いでは春には菜の花や桜が咲き、夏には蛍が舞う風景が見られるなど、豊かな自然について大石知事に写真を示しながら説明していました。

 大石知事を案内した住民のひとり、岩下すみ子さんは「視察が実現するとは思っていなかったのでびっくりした。今後は利水や治水の面で話をして、事業の見直しをしてもらいたい」と話していました。

 一方、大石知事は、記者団の取材に対し「地元住民の土地を思う気持ちや自然豊かな土地に触れ、ふるさとの尊さを認識した」と述べました。

 そのうえで「今後は、住民の工事中断への思いを含めてしっかりと話を聞く機会を設けたい」と述べ、住民からダム建設に関する考えを直接聞く場を設けたいという意向を示しました。

◆2022年4月20日
ー石木ダム早期 完成を公約に掲げる新知事 建設予定地を反対派住民と視察ー

 大石 知事は20日午後、東彼杵郡川棚町の石木ダム建設予定地を訪れ、建設反対の抗議を続ける地元住民と現地を見て回りました。

 大石 知事が訪れたのは川棚町の川原(こうばる)地区です。石木ダム建設に反対する地元住民とともに約1時間 視察しました。
 知事は3月の就任のあいさつで住民と初めて面会し「現地の様子を歩いて見てほしい」との要望を受けたことから今回の視察を決めました。
 地元の住民11人が川原地区での生活の様子や自然の豊かさなどを知事に説明しました。

石木ダム建設絶対反対同盟 岩下 和雄 さん 「こういうところをつぶしてしまったら、もうホタルが飛ぶところない。長崎県でも有名なところ」

石木ダム建設絶対反対同盟 岩下 すみ子 さん 「ゲンジボタルとヒメボタルもいるんですよ。ここの上がヒメボタルがいるところ。ずっと川沿いと橋のところが一番多いです」

 知事は時々、メモを取りながら話に耳を傾けました。

石木ダム建設絶対反対同盟 岩下 和雄 さん 「計画から60年ぐらいたっている。本当に必要かということを話し合いをしてほしいと望んでいる。見て話し合いをしてください」

大石 知事 「ぜひ、声を聞けるように機会を設けさせてもらいたい」

 知事は最後に地区の墓地で線香をあげ、手を合わせました。

長崎県 大石 知事 「心苦しく思っていることを伝えたくて墓参りをした。ふるさとは尊いものだと認識した。ダムの必要性は切り離した話になるが、川原の皆さんが守っているものを拝見した上で話し合いをしたい」

 大石知事は石木ダムの早期 完成を公約に掲げていますが、住民の考えや意見を聞く対話の場を今後、設けたいとしています。

◆2022年4月20日 長崎文化放送
ー【長崎】大石知事が石木ダム予定地を再訪ー

 長崎県と佐世保市が建設を進める石木ダムの予定地を20日、大石知事が見学しました。就任50日で訪問は2回目。今回は住民の先祖の墓参りもしました。

 前回、就任直後に現地を訪れた大石知事。その際、住民が時間をかけて地域を見てほしいと求めたことに応じ再び訪問しました。

 石木ダムの建設予定地では2019年、土地の明け渡し期限が過ぎた後もダム建設に反対する13世帯約50人が暮らし続けています。20日は住民約10人が約1時間、石木川ではこれからの時期、ホタルが舞うこと、夏には子どもたちが泳いで遊ぶこと、それぞれの家の家族構成など自慢の故郷を案内しました。知事は水没予定地の中にある先祖代々の墓を参り、線香をあげました。

岩下すみ子さん(73)は「和やかなムードで聞いていただけました。最後はお墓参りまでしていただいたけど私たちは嫁に来た立場だけど感動しました」と話しました。

 大石知事は「この土地を思う気持ち、自然豊かな土地に触れてやはり古里は尊いものと認識しましたので次は住民の皆様のお話を聞いて思いを含めて聞く機会を設けたい」と話しました。
 一方で知事はダムの必要性については「切り離した問題」とし、知事選で公約に挙げた石木ダムの早期完成については言及しませんでした。

◆2022年4月21日 毎日新聞長崎版
ー住民「全て伝えた。計画を見直してもらいたい」 石木ダム水没予定地を視察 知事「住民の声を聞く場設ける」ー

 大石賢吾知事は20日、県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムの水没予定地で暮らす住民の案内で現地を視察した。大石知事は「ダムの必要性とは別」としながら「この土地の豊かさ、住民の土地への思いは尊いものと認識した」と述べ、今後も住民の声を聞く場を設ける意向を示した。

 約1時間の知事の視察に住民約10人が徒歩で同行した。水没予定地の13世帯の家の前では立ち止まり、家族構成や週末には子ども家族が帰って来てにぎやかになること、ホタルが乱舞する石木川、炭焼き小屋の存在などを住民が説明。大石知事はメモ帳に書き留めていた。

 墓地の前で大石知事が線香を上げて手を合わせ、住民も一緒に合掌する場面もあった。視察後には住民が大石知事に、13世帯をテーマにした記録映画のDVDや書籍を贈った。

 大石知事は「土地を思う住民の気持ちと豊かな自然に触れて古里の尊さを認識した。住民の気持ちをしっかり聞く機会を設けたい」と語った。説明役を務めた住民の岩下すみ子さん(73)は「予定していたことは全て伝えた。ダム計画を見直してもらいたい」と話した。

 大石知事は就任直後の3月、初めて建設予定地を訪れた際、住民から「この土地を歩いてほしい」との要望を受けていた。【綿貫洋】