ダムに依存しない肱川の治水対策テーマに大洲で住民集会、学識者ら問題提起(愛媛新聞)

 愛媛県を流れる肱川では2018年の西日本豪雨で二つの巨大ダムが緊急放流を開始後、大水害となって8人の流域住民が犠牲になりました。
 肱川流域では現在、国が三つ目の巨大ダム(山鳥坂ダム)事業を進めていますが、この水害を機に、ダムにあまりにへだたった河川予算への疑問が次第に広がってきています。住民らは学識者を招いて、さる7月16日にシンポジウムを開催しました。この集会の様子を伝える記事が地元紙に掲載されています。

〈イベント情報〉
  ➡シンポ「今なら止められる! 山鳥坂ダム建設と野村ダム改造」ー7/16、愛媛県大洲市

◆2022年7月22日 愛媛新聞
https://www.ehime-np.co.jp/article/news202207170051?sns=2?sns=2
ー学識者ら4人が問題提起 ダムに依存しない肱川の治水対策考える 大洲で住民集会ー

 ダムの整備に依存しない肱川の治水対策を考える住民集会「いのちと環境を守る えひめミーティング」が16日、大洲市東大洲の市総合福祉センターであった。流域住民ら約80人が参加。学識者らゲストスピーカー4人が肱川の治水対策で進められる山鳥坂ダム(大洲市)の建設と野村ダム(西予市)改良の両事業に対し、地質や公共事業の進め方などの点から問題提起した。

 集会は、両ダムの事業に反対する大洲、西予両市民らでつくる「いのちと環境を考える市民会議えひめ」が主催。愛媛大元学長の小松正幸氏(地質学)や大阪公立大教授の除本理史氏(環境経済学)ら4人が登壇した。

 小松氏は、日本の地盤の8割ほどが「海溝付加体」という地質体だとし、不均質な岩石層で構成されているため岩石同士の間が断層やすべり面になっており崩れやすいと説明。肱川支流・河辺川の山鳥坂ダム建設地も同付加体が地盤だと報告した。

 ダム湖周辺の地質が付加体であれば、断層や亀裂に水が染みこんで地滑りを起こしやすくなるとし「必然的に地滑りが起こってしまう」と警鐘を鳴らした。

 除本氏は、公共事業の推進が妥当かどうかを表す費用便益分析について解説。「何を費用とするかなどは、分析する側の価値判断が作用してくる。誰がやっても必ず同じ結果が出るものではない」と指摘。仮定や価値判断が変わると結果も変わり、事業主体が丁寧に住民との合意形成プロセスを踏むことが重要だと訴えた。