大阪府の安威川ダム、試験湛水始まる

 大阪府が建設した安威(あい)川ダム(茨木市)は本体工事が完了し、9月5日に試験湛水が始まりました。
 大阪府のホームページに情報が掲載されています。安威川ダム建設事務所によれば、試験湛水は2023年4月末頃に終わる予定とのことです。

◆試験湛水を開始しました。
 https://www.pref.osaka.lg.jp/aigawa/sikentansui/index.html

 安威川ダムは大阪の市街地に建設される特異なダムで、総貯水容量が1,800万㎥もあり、国の補助金で作る都道府県営のダムとしてはかなり大きいダムです。
 安威川ダムもご多分に漏れず、工期の延長と事業費の増額が繰り返されてきました。工期は当初の2008年度完成が2023年度まで延期され、事業費は当初の836億円から1676億円へと、約2倍になりました。
 安威川ダムの当初の建設目的には「都市用水の供給」が含まれていましたが、大阪府営水道が撤退したのでその分の容量は環境容量という名目に替えて、1,800万㎥という総貯水容量の規模を維持しています(洪水調節容量1,400万㎥、流水の正常な機能の維持容量146万㎥、環境容量94万㎥、堆砂容量160万㎥)。

 安威川ダムの建設目的は、洪水調節以外は必要性が希薄です。安威川ダムの主目的は洪水調節にありますが、それすらも虚構の上に成り立っています。
 安威川ダムの治水問題で最も重要な問題は、100年に1回の降雨による洪水への対応で安威川ダムが必要とされているものの、実際に1/100の降雨があると、安威川ダムがあっても、安威川・神崎川流域の大半が氾濫してしまうことです(安威川は下流の神崎川につながっていて、一連の川です)。

 この無意味なダムを中止させるために、江菅洋一さんら大阪府民が裁判で闘いました。私もこの裁判に証人として参加しましたが残念ながら、一審、二審とも敗訴になりました。

〈参考ページ〉水源開発問題全国連絡会ホームページ「大阪府の安威川ダムは無意味で愚かなダム事業」
       http://suigenren.jp/news/2018/02/24/9712/

◆2022年9月6日 朝日新聞
 https://digital.asahi.com/articles/ASQ9575TGQ95OXIE02K.html 
ー茨木の安威川ダム、試験湛水始まる 23年度の運用目指すー

(一部引用)
ーダムは1967年の豪雨災害を機に計画された。当初は利水を含む多目的ダムの構想だったが、水需要の減少で見直され、規模を縮小し治水目的のダムとして14年3月に着工された。
 貯水量は1800万トンで、総工費は1676億円。堤体の高さは76・5メートルで、ダム湖の左岸から右岸までの長さは337・5メートルという。

◆2022年 9月7日 建設通信新聞
https://www.kensetsunews.com/archives/734667
 ー大阪府/安威川ダム試験湛水開始/来年度にも供用ー

(一部引用)
ー100年に一度起こり得る規模の大雨(時間雨量80mm程度、日雨量250mm程度)でも下流の河川を氾濫させない機能を持つ。洪水調節は人による操作を行わず、貯水位に応じて洪水吐きから自然に流れる「自然調節方式」を採用している。