ダムがなかった球磨川は 当時と今の変化語る集会

 全国各地でダムが建設され、多くの人々が川と触れ合う経験が少なくなってきました。その中で、熊本県の球磨川流域は、川の恵みが伝承されてきた貴重な地域の一つです。球磨川支流の川辺川における国の巨大ダム建設への反対運動が多くの流域住民に支持されているのも、住民の多くが球磨川・川辺川の恵みを享受し、球磨川本流におけるダム建設によって川が変貌してきたことを実感してきたためです。

 球磨川流域でも、ダムがなかった当時の川の様子を知る人は少なくなっており、このほどかつての球磨川の恵みを語り継ぐ集会が開かれたと地元紙が伝えています。
 集会のコーディネーターをつとめた八代市のつる詳子さんがフェイスブックで球磨川流域の最新情報を発信しています
 →https://www.facebook.com/shoko.tsuru1

◆2022年11月11日 人吉新聞
https://hitoyoshi-sharepla.com/entrance_news.php?news=5788
ーダムがなかった球磨川は 当時と今の変化語るー

 球磨川流域の川辺川に建設予定の流水型ダムに反対し、瀬戸石ダムの撤去を求める住民有志の第1回「球磨川を知る学習会」は5日、八代市の桜十字ホールやつしろで開かれ、流域住民がダムがなかったころの球磨川の豊かさを語り合った。

 実行委員会の主催。環境カウンセラーのつる詳子さんをコーディネーターに、語り部は“川ガキ”だったという八代市坂本町の本田進さん(88)、同市の「喫茶ミック」のマスター・出水晃さん(78)、相良村柳瀬のアユ養殖業の生駒泰成さん(58)の3人。

 出水さんは「アユが黒い塊となって泳いでいたのが荒瀬ダムが出来ていなくなった。撤去後、水質は良くなったが魚は減り続けている。それは海に力がなくなったからだろう」。生駒さんは、人吉市中心市街地の球磨川について「透明で8メートル先の魚も見えていた」と語った。

 本田さんは、子どものころ一番よくしていたアユ漁を実演。自作の竹と釣り糸、釣り針の簡単な漁具を披露し、「大きなアユだけを引っ掛ける。傷も小さく、旅館が喜んで買ってくれ、いい小遣い稼ぎになった。川は子どもたちの楽しみの場だった」。

 「未来へ残すには、どうしたらよいか」のテーマでは、本田さんが「ダムのために坂本はゴーストタウンと化した。以前は浸水しても一般家庭なら4日で日常生活に戻り、逆に増水でよく魚がとれると楽しみも増えていた。ところがダムが出来ると、洪水で見たこともないヘドロの海となった」。

 出水さんは「川辺川ダムが出来ると球磨川は死んでしまう」。生駒さんは「山を守らないといけない。山の谷川に隠したようにある無数の砂防ダムが川にダメージを与えている。アユの質も悪くなる。香りがほとんどしないアユになってしまう」と述べた。

 出席者からは「どうしても川辺川ダムを止めたい。漁業権を放棄しないでほしい」「球磨川は八代平野の田畑を守っている八代の宝」とダム反対の声が相次いでいた。