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長崎県知事が石木ダム予定地を再訪、住民は面会拒否「話すことない」

 石木ダム事業を強行する長崎県の大石知事が久しぶりにダム予定地を訪問、住民との面談を求めたものの、拒否されたとのことです。
 知事訪問は一見、住民との対話を求めているように見えますが、実際はダムを建設するために住民に立ち退きを迫ることが目的です。しかし、利水(佐世保市への水道用水の供給)にも、治水(川棚川の洪水調節)にも不要な石木ダムのために立ち退くことを拒んでいる住民らに、利権目的のダム有用論を説いても意味がありません。
 このところのマスコミの論調は、ダム行政への忖度が目立つようになってきています。かつてはダム予定地に通い、住民の取材を継続していた報道機関が多かったそうですが、最近は現場に記者の姿を見かけることが殆どなく、ダム行政に配慮した記事が増える中、話し合いを求めているのは行政で、住民がそれを拒否しているという誤解が生じているとのことです。
 住民を支援する佐世保市の市民団体による以下のブログ記事に、現場の状況が詳しく綴られています。報道記事と合わせてお読みいただければと思います。
 ➡石木川まもり隊ブログより「知事の訪問に住民が応じない理由」

◆2023年12月20日 長崎文化放送
https://www.ncctv.co.jp/news/article/15089622
ー大石知事が石木ダム建設現場を11カ月ぶり訪問…住民は面会拒否「話すことなどない」張り紙ー

 大石知事は、県と佐世保市が建設を進める石木ダムの反対派住民と話し合うため20日午後、現地を訪問しましたが、住民側が拒否し、話し合いは実現しませんでした。

 石木ダム建設予定地の川原地区では2019年に土地の明け渡し期限が過ぎた後もダム建設に反対する13世帯43人が暮らし続けています。
大石知事の現地訪問は1月以来約11カ月ぶりです。ダムの建設に向けた話し合いの継続を求める予定でしたが、住民側は「地元住民の声を聞こうともしない知事と会って話すことなどありません!」と張り紙をし、面会は実現しませんでした。

大石知事:
「まずは私も直接お会いしてもう一度話し合いのお願いをしたかったが今回はお会いできなかったということで残念」

反対住民・岩下すみ子さん:
「私たちは嫌がらせばっかり受けているので。こんな無駄な事業があるもんですか。言いたいことはそれだけ」

◆2023年12月20日 NBC長崎放送
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/905229?display=1
ー「信頼関係がない知事とは話し合いが出来ない」県と地元住民との溝の深さを再認識 知事が石木ダムの現地訪問するも住民は面会拒否ー

 長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムをめぐり、20日、大石長崎県知事が反対派の住民と面会するためダム予定地を訪れましたが、住民側は面会を拒否しました。

 大石知事の石木ダム予定地訪問は今年1月以来で、目的について県は「今後の話し合いをお願いするため」としています。
 しかし20日、住民が工事を監視するために設けたテントは無人で「信頼関係がない知事とは話し合いが出来ない」「地元住民の声を聴こうともしない知事と会って話すことなどありません!!」と書かれた紙が貼られていました。

大石賢吾 長崎県知事:
「 “信頼関係のない知事”と結構、厳しく書かれてましたが、そのお気持ちがおありなんだろうとは思いますけど、これまで繰り返し申し上げてきたとおり、我々としてはしっかり13世帯の方々のご理解ご協力をいただくことが大切だと思いますので、今後も理解協力を得られるような努力はしていきたいと思います」

 今回の知事訪問について反対住民側は「ダム計画ありきの面会には応じられないと再三返答してきた」としています。

計画に反対している住民 岩本宏之さん:
「(知事は)自分たちは会いに来たけど、地元(住民)が会わなかったという風なことを世間にアピールするための(訪問)だと私は思う」

 およそ11か月ぶりとなる知事の石木ダム工事現場訪問でしたが、反対派との距離が縮むことはなく、溝の深さを再認識させられる結果となりました。

◆2023年12月20日 テレビ長崎
https://www.ktn.co.jp/news/detail.php?id=20231220009
ー石木ダム建設問題 知事の現地入りに「話すことなどない」と反対住民ー

 大石知事は住民との話し合いを求めて、石木ダムの建設が進む東彼杵郡・川棚町の川原地区を訪れました。
 住民側は「話すことなどない」と面会を拒否しました。

 大石知事は20日午後、石木ダム建設に反対する住民と面会するため川原地区に入りました。
 住民側は座り込みなど抗議活動をしているテントに、「住民の声を聴こうともしない知事と会って話すことなどありません」などと書いた張り紙を貼って面会を拒否する姿勢を示しました。

大石知事
「どうアプローチさせていただけるか検討したい。方向性は何ら変わることはない。県民の安全安心を守るためには必要なものと考える。1日も早く完成をしなければならないという立場に変わりない」

 現地を公式に訪れるのは2023年1月以来で、面会できなかった大石知事は地区を職員と一緒に回って現在の状況などを確認しました。
 大石知事と反対住民との「話し合いの場」は2022年9月以降は途絶えていて、工事だけが進んでいます。
 ダムは「必要ない」と主張する反対住民との溝は深まるばかりです。

ダム建設予定地の住民 岩下すみ子さん
「私たち、嫌がらせばっかり受けているので、こんな無駄な事業があるものですか、住民を無視したようなやり方ばっかりしているから私たちは納得していない」

大石知事は「今後も理解と協力を得る努力を続けていくことが大切」としています。

◆2023年12月21日 毎日新聞長崎版
https://mainichi.jp/articles/20231221/ddl/k42/010/337000c
ー石木ダム建設 住民、知事との面会拒否 県への不信感強くー

 大石賢吾知事は20日、県と佐世保市が川棚町で建設を進める石木ダムの建設現場を訪れた。建設に反対する水没予定地の住民13世帯との話し合いを試みたが、住民側は面会を拒否した。

 県は事前に訪問予定を伝えたが、住民は県が建設を前提にしていることを理由に面会拒否の意向を伝えていた。座り込みの現場にもこの日は住民の姿はなく、「地元住民の声を聞こうとしない知事と会っても話すことなどありません」と記した張り紙が掲示された。大石知事は「話し合いのお願いをするつもりだったが会えずに残念。話し合いができる工夫をしていきたい」と述べた。

 住民の一人で川棚町議の炭谷猛さん(73)は「住民の話を聞くならいいが、県の言い分を聞けというのなら話し合いの意味はない」と語った。【綿貫洋】