八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

八ッ場ダム本体予定地で測量開始

 八ッ場ダム本体工事予定地で測量が開始されたことを群馬版各紙が報じています。

 測量作業は本体工事を行うためのものですが、本体工事そのものではありません。しかし、昨日、上毛新聞は一面トップに「八ッ場きょう着工、本体」という記事を掲げ、今朝の社会面でも、「八ッ場ダム本体工事に着手」と報じています。

 昨年来、各紙が八ッ場ダムの本体工事は10月着工と報じてきていますので、今月着工でないと都合が悪いのかもしれませんが、前倒しで本体着工と報じることは、事実を歪めるものです。他紙が事業者である国交省の説明をそのまま掲載していることとくらべると、群馬県当局に最も近い上毛新聞の前のめりぶりが際立っています。

 昨日より八ッ場ダムを推進してきた小渕優子経済産業大臣の政治資金にまつわるスキャンダルが炎上し、報道がエスカレートしています。小渕後援会が推進してきた八ッ場ダムにまで火の粉がかかるのを恐れて、本体着工を既成事実化しようという意向が働いたのでしょうか。

 いずれにしても、本体工事さえいつ着工なのか不確かとは、いかにも迷走する八ッ場ダムらしいお粗末です。

◆2014年10月16日 朝日新聞群馬版
 http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20141016100580001.html
ー本体工事に向けきょうから測量ー

八ツ場ダム(長野原町)の本体工事に向けた測量作業が16日から始まる。国土交通省八ツ場ダム工事事務所は、測量作業には本体周辺部だけで約1カ月かかるとしている。同工事事務所によると、16日から作業員らが2班に分かれ、本体ダムの周辺の山林や渓谷付近で基準点や水準点を測量する。

 本体工事は8月の一般競争入札で、清水建設などの共同企業体(JV)が、想定よりも工期を514日短縮する計画が評価されて落札した。しかし、国交省関東地方整備局は、15日現在で本体工事の工程などを示す計画書はJVから届いていないと説明し、「本体工事の着工時期はわからない」としている。

◆2014年10月17日 朝日新聞群馬版
 http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20141017100580001.html
ー本体予定地で測量開始・着工準備本格化ー

 八ツ場ダム(長野原町)の本体建設予定地で16日、工事関係者による測量が始まった。ダム本体の工事に不可欠な作業で、1952年に計画が浮上したダム建設が本格的に動き出した。

 16日は5人ほどの作業員が本体予定地の国道沿いや渓谷の斜面を行き来しながら棒を立てていた。ダム建設には詳細な距離や高さの測定が必要で、それらの情報を得るための作業だ。

 その下では、本体建設のために吾妻川をせき止める「仮締め切り」の工事も、今月末の完成をめざして進んでいた。

 国土交通省八ツ場ダム工事事務所によると、今後、周囲の木の伐採などを経て、ダム本体の基礎を掘る工事に着手する。川床や谷を約60万立方メートル掘削した上に91万立方メートルのコンクリートを打ち、高さ116メートルのダム本体を造る。清水建設と鉄建建設、IHIインフラシステムの共同企業体(JV)は本体建設を最短984日で終える計画で、国交省は最終的な完成は2019年度中としている。(井上怜)

◆2014年10月17日 東京新聞群馬版
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20141017/CK2014101702000160.html?utm_medium=twitter&utm_source=twitterfeed

ー八ッ場ダム 本体工事に向け測量作業始まるー
 
 国土交通省は十六日、長野原町の八ッ場(やんば)ダムで本体工事に必要な測量作業を始めた。作業は本体周辺部だけでも約一カ月かかるとみられ、同省八ッ場ダム工事事務所は「本体工事がいつ始められるかは分からない」としている。

 大沢正明知事は、本体工事の着工式開催を国交省に求めており、同事務所は対応を検討している。

 八ッ場ダム本体工事をめぐっては二〇〇九年、民主党政権が建設中止を表明し、入札を凍結。その後中止方針を撤回し、国は今年八月、清水建設など三社の共同企業体(JV)と約三百四十二億円で契約した。

◆2014年10月17日 読売新聞群馬版
ー八ッ場ダム測量開始ー

 長野原町に建設予定の八ッ場ダムの本体工事を受注した清水建設(東京都)などの共同企業体(JV)は16日、工事着工に向けた現地測量を開始した。

 国土交通省八ッ場ダム工事事務所によると、測量作業は、本体ダム周辺の山林や渓谷付近で地形の断面を確認する測量などを行う。本体部分の測量作業は1か月程度を要するという。

 ダム本体工事は8月20日に清水建設と鉄建建設(東京都)、IHIインフラシステム(大阪府)のJVが国と契約。落札条件の工期短縮は514日を見込んでいる。

◆2014年10月17日 産経新聞群馬版
ー八ッ場ダム測量開始 「本体工事へ一つの節目」-

 国土交通省は16日、八ッ場ダム(長野原町)の本体工事に向けた現地測量を開始した。実際に測量にあたったのは、清水建設(東京都)などの共同企業体(JV)で、作業は本体周辺部だけでも約1カ月かかるとみられる。建設地での具体的な作業は今回の現地測量が初めて。
 
 国交省八ッ場ダム工事事務所によると、現地測量は、本体工事の前に現場状況を把握するために行われる。今後は測量結果を基に設計内容を精査し、樹木の伐採や川床の掘削作業に入る。同事務所は「現場作業に入ったことは一つの節目だが、本体工事がいつ始まるかは分からない」としている。

 現地測量開始を受け、ダム水没予定地から移転した川原畑地区の中島泰区長は「やっとダムができるんだなと実感してホッとしている。ダム建設に伴い多くの人が地区を去ったが、若者が戻ってくるような街を作っていきたい」と話している。

 大沢正明知事は、ダム本体の着工式開催を国に求めているが、同事務所は「現段階では未定」とし、開催が可能かどうか検討している。

◆2014年10月17日 上毛新聞社会面
ー本体工事に着手 八ッ場ダムー

 国土交通省は16日、八ッ場ダム(長野原町)の本体工事に着手した。落札した清水建設などの共同企業体(JV)が、建設地で初めての具体的な作業である測量を予定通り始めた。

 始まったのは起工測量と呼ばれる作業で、JVが基準点を確認したり、現地の地形と設計図を照らし合わすなどしている。本体工事の取り掛かりで、この作業を経た上で、樹木の伐採や掘削、コンクリートの流し込みに入る。
 本体着工に関して、県は国交省に式典の開催を求めており、国交省は検討を進めている。