八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

JR吾妻線 21日全線開通 台風で不通の長野原草津口-大前再開

 昨年10月に襲来した台風19号は、八ッ場ダム上流に大きな爪痕を残しました。
 吾妻川流域では、ダム湖の上流端にあるJR吾妻線の「長野原草津口駅」(群馬県長野原町)から終点の「大前駅」(嬬恋村)までの区間が複数の土砂崩れにより不通となりましたが、ようやく復旧するとのニュースです。

★JR東日本高崎支社 プレスリリース
 「吾妻線 運転再開について 」(2020年2月17日)

 吾妻線 運転再開について
 台風 19 号の影響により吾妻線は長野原草津口~大前駅間で運転を見合わせておりましたが、復旧作業の見通しが立ったため2月 21 日(金)始発列車から運転を再開いたします
 なお、運転再開区間で徐行運転を行うため、列車の時刻を変更して運転を行います
 また運転再開に伴い、長野原草津口~大前駅間で行っておりますバスによる代行輸送は20 日(木)までといたしますが、万座・鹿沢口駅(6時51分)発、高崎駅(8時30分)行きについては徐行運転による遅れの影響が広範囲に及ぶため万座・鹿沢口~長野原草津口駅間については当面の間、区間運休としてバスによる代行輸送を継続いたします(以下略)

2020年2月21日からの吾妻線時刻表
https://www.jreast.co.jp/takasaki/news/pdf/20200217-05info.pdf

~~~転載終わり~~~

 吾妻線は2014年9月まで「岩島駅」(東吾妻町)から「長野原草津口駅」の区間で八ッ場ダムの水没地を走っていたため、ダム事業により10キロ以上の区間の線路の付け替えや鉄橋、トンネルなどの大規模な建設工事が行われ、水没地にあった「川原湯温泉駅」も代替地へ移転しています。
 吾妻線の乗降客数は、沿線の人口や観光客の減少により減少の一途をたどっていますが、通学する高校生や車をつかえないお年寄り、遠方からの観光客にとって、なくてはならない路線であることに変わりありません。

関連記事を転載します。

◆2020年2月18日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55781260Y0A210C2L60000/
ーJR吾妻線、21日に全線復旧ー

 JR東日本高崎支社は2019年10月の台風19号の影響で運転を見合わせている吾妻線の長野原草津口(群馬県長野原町)―大前(同県嬬恋村)間について、21日の始発列車から運転を再開すると発表した。ただ、同区間では当面、徐行運転するため、通常より3~4分ほど時間がかかるという。

 台風19号から4カ月余りで群馬県内のJR全路線が復旧する。

◆2020年2月18日 上毛新聞
https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/society/194060
ーJR吾妻線 21日全線開通 台風で不通の長野原草津口-大前再開ー

  JR東日本高崎支社は17日、昨年10月の台風19号による土砂崩れで不通となっていた群馬県のJR吾妻線・長野原草津口―大前間について、今月21日に運転を再開すると発表した。台風接近から4カ月余り。同区間の再開により、被害を受けた群馬県内のJR全路線が復旧する。台風被害からの復興に取り組む地元関係者は、群馬デスティネーションキャンペーン(DC)を前にした全線再開を歓迎した。

◎当面は徐行運転
 吾妻線は、台風接近に伴い昨年10月12日に計画運休し、13日にかけての大雨により長野原草津口―大前間で土砂崩れが発生。運転再開区間や運転本数を少しずつ回復したが、線路内への大量の土砂流入や電柱の倒壊などのため同区間は復旧に時間がかかっていた。

 高崎支社によると、21日始発からの運転再開後も当面は同区間を徐行運転するため従来よりも時間が3~4分長くかかるという。

 また、徐行運転のため通勤通学客の乗り換えに影響が大きいことから、万座・鹿沢口駅を午前6時51分に発車する高崎行き上り1便について、同駅―長野原草津口駅間のバス輸送を継続する。おおむね2カ月間で解消する見込み。

 生活や観光の足として再開を待ち望んだ地元からは喜ぶ声が聞かれた。

 嬬恋村の担当者は「群馬DCの前に開通するのは良かった。少しずつだが村は元通りの姿に戻っている。復旧した姿を見せることで観光の追い風にもなる」と喜ぶ。村は新年度、住民や観光客に吾妻線の利用促進を呼び掛けるキャンペーンを検討しているという。

 嬬恋高では村外の生徒約40人が代替輸送バスで通学している。同校によると、バスを利用する生徒たちは運行時間に合わせ、従来より20分ほど登校が遅くなったり、部活動を早く切り上げたりしている。

 台風19号によるJRの被害を巡っては、両毛線岩舟―栃木間が11月11日に、八高線北藤岡―寄居間が同月27日にそれぞれ再開した。