今月21日に関東地方に襲来した台風は、太平洋岸に大雨を降らせ、千葉県、神奈川県で甚大な被害が明らかになりつつあります。千葉県の印旛沼では堤防が決壊し、広い範囲で浸水が続いています。確認された死者10人のうち、水没車両の近くで発見された一人を除く9人は土砂災害の犠牲者とのことです。24日現在、4人が行方不明となっています。
◆2026年9月23日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASV9Q7T5FV9QULOB001M.html
ー水没車両付近で発見の男性死亡、台風死者10人に 印旛沼周辺は浸水ー
台風25号の関係で、千葉県は23日、水没した車両付近で22日に見つかった印西市の60代男性と鴨川市で土砂崩れに巻き込まれ行方不明となっていた70代男性の死亡を発表した。県内で新たに行方不明者も1人見つかったという。神奈川県と県警、消防は23日、三浦市の住宅で土砂崩れに巻き込まれた原田佑佳さん(35)が死亡したと明らかにした。
死者は両県で計10人、行方不明者は計4人となっている。
また、神奈川県と県警、消防への取材によると、横須賀市長井2丁目の住宅で土砂崩れに巻き込まれて亡くなったのは沼田正さん(79)とわかった。
神奈川県ではすでに横須賀市長井1丁目の横山淳子さん(64)が土砂崩れに巻き込まれ亡くなったことがわかっている。また、沼田さんの70代の妻の行方が分かっていないほか、三浦市でも20代の女性が行方不明となっている。
千葉県ではこれまでに7人の死亡が確認されている。水没車両付近で見つかった印西市の60代男性のほか、鴨川市で70代男性と80代の男女2人、茂原市で80代女性、袖ケ浦市で51歳男性、山武市で70代女性がそれぞれ土砂崩れに巻き込まれ、死亡。23日には新たに長柄町で70代男性が行方不明であることが発表された。このほか、鴨川市で60代の男性も行方が分かっていない。
印旛沼で堤防決壊、広範囲に浸水 田沼意次の時代に治水事業の現場
千葉県河川環境課などは22日、台風25号により、印旛沼の北沼(成田市)の堤防の一部が破堤したと発表した。周辺の田んぼや住宅地が広範囲に浸水しているという。同日午前4時半時点の水位は基準値から5.04メートルで、1968年の管理開始以来最大だった。
旧千葉外房有料道路の一部崩壊
22日朝に農業関係の団体から、印旛沼を管理する水資源機構に連絡があり、県職員らが現地で確認した。2カ所の排水ポンプ場で排水して、水位低下を図っている。復旧時期は未定という。
台風25号の影響で、千葉市緑区の旧千葉外房有料道路(県道67号)の一部が崩壊して通行できなくなっている。千葉市によると、崩落したのは本田インターチェンジ(IC)―大木戸IC間で、約12メートルにわたって両車線が通行不能となっている。復旧の見通しは立っていない。
台風接近に伴い、20日夜から同区間を通行止めにしていた。22日朝、市職員がパトロールしていたところ、道路の崩落を確認した。同区間は8月の千葉豪雨でも被害を受け、9月3日に通行を再開したばかりだった。
住宅の被害も相次いだ。23日午前11時時点で千葉県内では19棟が全壊し、10棟が半壊、26棟が一部破損した。床上浸水は佐倉市で300棟に上り、大網白里市や松戸市、富里市、千葉市などでも計105棟が床上浸水した。神奈川県内でも22日までに横須賀市と三浦市で計3棟が全壊、横浜市と横須賀市の計4棟が一部破損したことが明らかになっている。
千葉、神奈川の両県では23日も自衛隊や消防などの行方不明者の捜索が続き、付近の住民が心配そうに見つめていた。
土砂崩れに巻き込まれた60代の男性が行方不明になっている千葉県鴨川市西町。近隣に住む50代の男性は重機などによる捜索活動を見つめていた。
男性によると、土砂崩れに巻き込まれたのは倉庫を含む平屋建ての自宅3棟。うち2棟には人が住んでいたという。行方不明の男性は、数年前にこの地域に引っ越してきて春あたりから一人暮らしだった。何度かあいさつを交わしたことがあり、バイクに乗る姿をよく見かけたという。
男性によると、これまでの台風では通過前に雨風の影響が大きく、通過した後はすぐに天気が回復することが多かったという。
「台風が抜けたと思った矢先に土砂崩れがあって、驚いた」
鴨川市危機管理課によると、現場は土砂災害警戒区域外。ただ、男性は近所の人たちと次の被害に備えて「いかに効率よく逃げるかを相談している」という。
「もう雨は降らないで欲しい」。現場をぼうぜんと見つめながら、つぶやいた。
◆2026年9月24日 NHK
https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20260923de52072
ー台風被害 10人死亡4人不明 北印旛沼周辺で浸水ー
台風25号に伴う記録的な大雨で、千葉県と神奈川県では土砂災害や川の氾濫による浸水被害が相次ぎ、これまでに10人が死亡、4人の行方がわからなくなっています。また堤防が決壊した千葉県の北印旛沼周辺では浸水被害が出ていて、県は復旧工事を急ぐことにしています。
台風25号に伴う記録的な大雨で、千葉県では、鴨川市で住宅に土砂が流れ込み連絡が取れなくなっていた70代の男性の死亡が23日に新たに確認され、亡くなったのはあわせて3人となったほか、印西市、山武市、茂原市、袖ケ浦市でそれぞれ1人が死亡し、県内で亡くなった人は7人になりました。
また、長柄町では車を運転中に崩れた土砂に巻き込まれたとみられる70代の男性の行方が分からなくなっているほか、鴨川市で1人が行方不明になっていて、警察や消防が捜索活動を続けています。
神奈川県では、三浦市で1人、横須賀市で2人が死亡していて、県内で亡くなった人は3人になりました。
このほか、三浦市と横須賀市の土砂が流れ込んだアパートや住宅で20代の女性と70代の女性の2人の行方がわからなくなっていて、捜索活動が続けられています。
また、この大雨で土砂災害や河川の氾濫による住宅への被害も相次ぎ、23日午後6時半までに、千葉県では625棟、神奈川県では8棟、あわせて630棟余りの被害が確認されています。
堤防が2か所決壊した北印旛沼の周辺では田んぼや建物が浸水するなどの被害が出ていて、県は堤防の復旧工事を急ぐことにしています。
JR木更津駅 内房線運休で東京行きバス増便し対応
台風25号の影響で、千葉県内のJRの在来線は多くの路線で運転を見合わせている区間が出ています。
連休が終わり、24日から通勤通学の利用客も増えるため、影響が懸念されています。
このうちJR内房線は姉ケ崎駅と木更津駅の区間が復旧までに少なくとも3か月程度かかる見込みで、木更津駅から千葉駅方面に向かうことができなくなっています。
このため木更津駅では民間のバス会社が通勤通学の利用客向けに、午前5時台から7時台にかけて東京に向かうバスの本数を増便して対応していて、バスターミナルには24日朝から多くの通勤客などで長い列ができていました。
利用客が多い場合は、さらに便数を増やすということです。
都内への通勤で利用しているという50代の男性は「いつもより早く出ました。普段よりバスの利用客が多くて台風の影響を感じます。安全に復旧作業が進むといいなと思います」と話していました。
◆2026年9月23日 共同通信配信(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD230AP0T20C26A9000000/
ー台風25号の死者10人に 千葉と神奈川で不明4人、600棟以上被害ー
台風25号の影響で記録的な大雨が降った千葉県と神奈川県は23日、新たに3人が死亡し、1人が行方不明になっていることを確認したと発表した。両県によると、死者は計10人、行方不明者は計4人となった。両県で不明者の捜索が続いた。
千葉県では川が氾濫した佐倉市などで600棟以上の住宅に被害が出た。県管理の道路だけで約120台の車が水没した。
県北部の印旛沼の水位が過去最高に達し、堤防の2カ所が決壊したことも判明。いずれも決壊した幅は約100メートルといい、周囲の住宅や田んぼなどで被害が出ている。
千葉県によると、印西市で水没車両の近くから60代男性が、鴨川市で捜索していた70代男性が見つかり、死亡が確認された。県内の死者は7人。新たに行方不明とされた70代男性は、長柄町で車の運転中に土砂崩れに巻き込まれたとみている。鴨川市で60代男性の行方が分かっていない。
神奈川県などによると、土砂崩れが起きて行方不明だった同県三浦市の原田佑佳さん(35)が自宅で発見され、死亡が確認された。他にいずれも横須賀市の横山淳子さん(64)と70代の沼田正さんが死亡。沼田さんの妻で70代の明美さんと三浦市の20代女性の行方が分かっていない。
70代男性が発見された千葉県鴨川市小湊の土砂崩れ現場では雨が降り続く中、消防や自衛隊が約80人態勢で捜索した。
住宅街が浸水した佐倉市では水が少しずつ引き、住民が安全を確かめ合った。母が住む実家を片付けていた市内の会社員、桜井龍児さんによると、22日午前1時ごろから床上浸水し、1階のげた箱や冷蔵庫が水浸しに。23日朝、ようやく水が引いた。
8月の豪雨でも浸水し、床板や壁紙の張り替えをしていたといい「これから毎年被害が出てしまうのではないか。恐ろしい」と話した。
千葉県の熊谷俊人知事は被災地視察後の取材に、千葉豪雨など雨が続きかなり地盤が緩んでいるとして「土砂崩れが至るところで発生しかねない状況。十分に注意して活動してほしい」と話した。〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD231HW0T20C26A9000000/?n_cid=SNSTW001&n_tw=1790164162
ー台風25号、千葉・印旛沼が最高水位観測し決壊 1968年の管理開始後初ー
台風25号の記録的大雨で、千葉県北部の印旛沼は水位が過去最高に達し、堤防2カ所が決壊した。独立行政法人水資源機構が23日までに発表した。1968年に管理を開始してから決壊は初めてという。
人的被害はないが、住宅や田んぼなどが浸水している。排水ポンプで水位を下げ、県や国などと連携して早期に復旧させる方針。
機構などによると、印旛沼は利根川水系の沼で、流域では総雨量300ミリ超を観測。22日午前4時半に佐倉市の水位計で基準点から5.04メートルと過去最高水位となった。決壊した幅は、いずれも約100メートルという。
機構は台風に備えて17日から水位を下げる「予備排水」を行い、水位が高まった20日夜から利根川と東京湾へポンプ排水をしていた。担当者は「計画の想定を超える雨量だった。8月から続いた雨で土中の水分量が多かったことも一因ではないか」と話す。
8月の千葉豪雨や2019年10月の大雨では、堤防などが耐えられる最高水位とされる4.25メートルを超えたものの、決壊しなかった。
復旧には県のほか、国土交通省が緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)を派遣して技術的な支援などを担う。〔共同〕