八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

馬淵国交大臣の会見要旨(利根川の治水計画の計算に使ったデータ等について」

2015年10月15日

国交省ホームページより転載

http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_001129.html

 

大臣発言(利根川の治水計画の計算に使ったデータ等について)

私の方から1点御報告があります。
利根川の治水計画の計算に使ったデータ等について、ということであります。
一昨日の予算委員会でも取り上げられましたが、八ッ場ダムに関して、利根川の治水計画の計算に使ったデータ等について、会見でも御質問がございましたが、私の方でも調査をしておりまして、検討しておりました。
本日、私の考え方をお話したいと思います。
これまでも、雨量、流量のデータ、あるいはその計算に使った諸係数は全て公開してきておりましたが、できる限りこうした情報というものは公開すべきというのが基本的な考え方です。
ただ、これまで公開していないもの、例えば「流域分割図」、あるいは「流出モデル図」がございました。
これは、私も実物を見て確認をいたしました。
これを見ましたところ、構想段階の洪水調節施設の建設予定地点を推定できるという状況のものでありました。
これは2枚なのですが、私が見たところ確認ができました。
これにつきましては、反社会的な勢力によって土地の買い占め等不当に国民の間に混乱を生じさせるような状況が起きうる可能性があること、またこういった情報に限っては情報公開法の趣旨に基づいて不開示とすべきだということで、全ての開示ということについて、私はいささか問題があると申し上げてきた次第です。
こうした状況の中で、一方で、情報公開法の見直しというものが行政透明化検討チームで今年の8月に取りまとめがなされておりまして、「国等における審議・検討等に関する情報で、公にすることにより、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがある情報を不開示情報とする旨の文言を削除する。」と、このようになっております。
今後は、この法案の取りまとめも含めまして、こうした情報開示の整理がなされれば、しっかりと開示をしていきたいと思いますが、今日においては、今申し上げたように「流域分割図」「流出モデル図」については、開示は不適当だと考えた次第であります。
いずれにしましても、利根川の治水計画計算に使ったデータ等に関しては、様々な御意見もあるということ、また報道等にも挙がっているようにそれぞれ熱心に検討していただいているといったものも表に出てきておりますので、今後、八ッ場ダムの検証を進める中で予断を持たずに、また情報公開を図りながらできる限り最新のデータ、あるいは科学的、技術的知見、こういったものを用いたものを徹底的に点検を行うということで開示をしてまいりたいと。
加えて、流域計算のモデルの妥当性も含めて見直しを行うべきということで、私の方から河川局には指示を出しております。
従いまして、ダムの再検証というものがございますが、八ッ場ダムに関しては今日におけるモデルの妥当性、さらにはそこで使われている係数の妥当性も含めてしっかりと検討するべきということで指示を出させていただきました。
私は、一昨日の予算委員会で河野委員の質問に対して私の方でお答えをしたものでありますが、利根川の八斗島地点における再現計算に用いた飽和雨量についてですが、4つの数字を申し上げました。
昭和33年9月洪水では31.77ミリメートル、昭和34年8月洪水では65ミリメートル、昭和57年9月洪水では115ミリメートル、平成10年9月洪水では125ミリメートルと。この4つの数字のうち、昭和34年以降の3つ、65ミリメートル、115ミリメートル、125ミリメートルというのは、今まで非開示だったものでありますので、この国会で初めて、私の方から公表したということであります。
いろいろな御意見がある中で、データ等が開示されていなかったことについては、私は情報公開に付すべきだと、このように最初から申し上げてまいりましたので、今後も必要であれば出していくと。
ただし、先ほど申し上げたように、社会的な混乱が起きる恐れがあるものに限り、不開示とするものも中にはあるということを御理解いただきたいと思います。
私の方からは以上です。