さる4月12日、国土交通省は「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」第1回会議を開きました。
気候変動等の影響により、降水量50mm/hr以上の短時間強雨の発生回数が増加しており、今後さらに増加すると予測されているので、ハード対策とソフト対策を検討しようというものです。
この会議の配布資料が国土交通省のホームページに掲載されています。
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai01kai/index.html
会議の傍聴はマスコミのみで、一般はシャットアウトという時代遅れの運営がされています。
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai01kai/dai01kai_kaisai.pdf
資料4「気候変動による将来の外力の増加量の 治水計画等での考慮の仕方」などをみると、気候変動等の影響による短時間降雨の増加に対応するために、河川改修のレベルアップ、ダムの嵩上げなどを治水計画に盛り込んでいくというもののようです。
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/chisui_kentoukai/dai01kai/dai01kai_siryou4.pdf
しかし、そのような対策よりも、各地で頻発している内水氾濫への対策強化、堤防決壊による壊滅的な被害を防ぐための耐越水堤防の普及(国土交通省は認めていない)を進めることの方が重要ではないでしょうか。
関連記事を転載します。
◆2018年4月16日 日刊建設工業新聞
http://www.decn.co.jp/?p=98986
ー国交省/気候変動踏まえ河川整備在り方検討/計画規模拡大・整備手順効率化など探るー
国土交通省は気候変動に考慮した河川整備の在り方を検討する。気候変動の影響により全国で集中豪雨が頻発し、既存施設能力を上回る河川への外力が増大している状況に対応。気象庁や文部科学省などが開発した降雨量の将来推計値を従来より高精度に把握できる最新技術を活用し、将来的な外力のさらなる増大を見越した整備計画規模の拡大、整備手順の効率化などを探る。
気候変動に考慮した河川整備の在り方検討は、12日に立ち上げた有識者会議「気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会」(座長・小池俊雄土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター長)の意見を参考にしながら進める。有識者会議には18年度末ごろに一定の意見をまとめてもらう。
国交省は必要に応じ、都道府県などの河川管理者が流域ごとに策定・運用している河川整備基本方針や河川整備計画の見直しを求めていく。
国交省によると、この30年間で時間雨量50ミリを上回る集中豪雨の発生回数は約1・4倍増えた。年間平均ベースで1976~85年の発生回数が174件だったのに対し、2008年~17年は238件だった。
気候変動の影響による集中豪雨への対策が国策として急務になる中、直近では環境省が今国会に気候変動適応法案を提出した。気候変動適応を初めて法律で位置付けている。国の役割として防災や健康といった主な課題分野ごとに気候変動適応計画を策定し、ハード・ソフトの施策を立案・実行できるようにすることを規定している。