水害被災者の会、球磨川治水めぐり熊本県へ申し入れ

 熊本県では、7月の球磨川水害を機に、中止されていた川辺川ダム計画を復活させる動きが強まっています。これに危機感を抱いた被災者らが9月29日に「7・4球磨川流域豪雨被災者の会」を立ち上げ、さっそく今月1日に熊本県庁を訪れ、申し入れを行ったとのことです。

 関連記事を転載します。

◆2020年10月2日 朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASNB17SKNNB1TLVB00D.html
ー豪雨被災者の会が熊本県へ申し入れ 球磨川の治水めぐりー

 7月の豪雨で被災した熊本県内の住民らでつくる市民団体「7・4球磨川流域豪雨被災者の会」は1日、国、県、流域市町村による球磨川豪雨検証委員会に関する要望を県へ伝えた。緊急放流などダムの危険性についても明らかにするよう求め、被災者の意見を検証にいかすことも求めた。

 共同代表を務める元熊本大教授の鳥飼香代子さん(72)=人吉市九日町=が県庁で担当者に書面を手渡した。被災者の会は市房ダムの緊急放流や決壊による想定被害や、川辺川ダムが存在した場合の同様の想定被害を明らかにするよう求めた。検証委は被災当事者の意見を聞くべきだとも指摘し、時間をかけた明確な検証を求めた。

 鳥飼さんは「ダムの役割や危険性をしっかり検証し、正確なデータを出すべきだ。被災者としては最悪の場合も知って、できる対策を考えていかないと、安心して住み続けることはできない」と述べた。

 「被災者の会」はこの後、川辺川ダム建設促進協議会会長を務める錦町の森本完一町長との面会を求めて同町役場を訪問。応対した同協議会事務局長の尾方良一・町地域整備課長に要望を文書で伝えた。尾方事務局長は「ご意見を球磨川流域の市町村長に伝える」と話した。(伊藤秀樹、村上伸一)

◆2020年10月2日 西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/650323/
ーダム治水の限界を明確に 球磨川流域被災者の会検証委に要望ー

 7月豪雨の被災者らでつくる「7・4球磨川流域豪雨被災者の会」が1日、県庁を訪れ、豪雨災害の検証委員会でダムによる治水の限界を明確にするよう申し入れた。共同代表の鳥飼香代子・熊本大名誉教授(70)=人吉市九日町=は「最悪の想定が明確にならないと、住み続けていいのか判断できない」と訴えた。

 国と県、流域市町村でつくる検証委は8月、12年前に蒲島郁夫知事が「白紙撤回」した川辺川ダムが仮にあった場合の効果を提示。今月6日の第2回会合では、さらに詳しいダムの被害軽減効果が示される見通し。一方、被災者の会が求めるのは、ダムの限界やデメリットの開示だ。

 鳥飼さんは「治水策が定まらないと、日常生活やなりわいの復活に向かえない」と被災者が抱えるジレンマを代弁。球磨川本流の県営市房ダム(水上村)や、効果を検証中の川辺川ダムについて「緊急放流の被害想定を分かりやすく説明することが、再生の第一歩」と強調した。

 同行した球磨村渡の市花由紀子さん(50)は「私たちの体験を治水策に生かしてほしい」。人吉市下青井町の吉岡弘晴さん(84)は被災した国宝・青井阿蘇神社前の池で咲いたハスの花に触れ、「ハスに負けないよう、街をよみがえらせたい」と訴えた。県側は「責任持って知事に伝える」と応じた。 (古川努)