球磨川の最大支流である川辺川は、国土交通省が「水質が最も良好な河川」に選んできた清流です。川辺川ダムは「ダムの国」といわれるわが国で最も難航してきた巨大ダム事業として、「東の八ッ場、西の川辺」と相称された歴史があります。
2000年代には流域で国の巨大ダムに対する激しい反対運動があり、熊本県が重ねて主催した公開討論会の結果、県民の世論がダム反対に定まったことから、熊本県、ついで民主党政権下の国交省もダム中止方針を明らかにしました。
しかし、いつになっても中止手続きはとられずにいるうちに、2020年洪水が発生し、その後、またたく間に川辺川ダム事業の復活が決定しました。
国交省は新たなダム計画では、環境に配慮してダム本体に穴をあけて水を流す「流水型」ダムとすると説明していますが、ダムができれば河川環境が一変することは必至です。被災住民は洪水の犠牲者の死因を一つ一つ現場検証し、ダムでは死者を減らせないことを科学的に立証しましたが、国交省は根拠なく「治水効果」をアピール。来年度本体工事着工の道筋をつけつつあります。
◆2026年4月8日 熊本日日新聞
https://kumanichi.com/articles/1978485
ー川辺川の流水型ダム 国交省が本体工事で初の発注情報、11月にも入札公告ー
国土交通省九州地方整備局は8日、球磨川支流の川辺川で計画する流水型ダムについて、2027年度の本体着工に向けて今年11月に一般競争入札を公告する見通しを発表した。本体工事の発注関連情報を出すのは初めて。 工事名は「川辺川ダム建設(一期)」。規模は50億円以上で工期49カ月。五木村と相良村で、ダム本体周辺の上流と下流を締め切る工事や基礎掘削、コンクリート打設を進める。規模や工期は、今後変わる可能性もある。
川辺川の流水型ダム(高さ107・5メートル、総貯水容量約1億3千万トン)は、治水専用としては国内最大。平常時は水を流し、増水時はためて放流量を調節する仕組み。20年熊本豪雨で流域に被害が出たことから、建設計画が浮上した。
国は35年度の完成を目指している。27年度政府予算編成と並行して、発注準備を進める。(川野千尋)
◆2026年4月19日 RKK熊本放送
https://news.yahoo.co.jp/articles/57a616f016cc0dd463af292f8ad1986a64b1120e
ー「川辺川にダムは絶対作らせない」熊本市で反対集会 地元住民ら400人が計画中止を訴えるー
球磨川の支流・川辺川で計画されている流水型ダムの建設に反対する人達が熊本市で集会を開き、計画の中止を求めました。
「川辺川にダムは絶対に作ってはなりません。作らせません」
流水型ダムは、2020年7月豪雨で氾濫した球磨川流域の治水策として建設が計画されていて、国は来年度にダム工事へ着手し、2035年度の事業完了を目指しています。
熊本市中心部での集会にはダム建設に反対する地元住民など約400人が参加し、マイクを握った人達が「ダムで命は守れない」「4900億円かけるのは無駄だ」などと訴えました。
五木村出身 黒木俊介さん(43)「100年に一度の天災に備えるという名目で豊かな自然を壊し人々の日常・営みを奪うことは許されない」
「清流川辺川にダムはいらない」
集会の後、参加者は横断幕などを掲げながら新市街アーケードを歩き、反対の意思を道行く人へアピールしました。
◆2026年2月26日 JBPRESS
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/93446#google_vignette
なぜ川辺川ダムは止まらないのか?国交省の「自作自演」と費用対効果“6倍盛り”の不都合な真実
【川から考える日本】氾濫しない地域の「洪水低減」が目的、清流と共に生きる住民を無視する公益性なきダム事業