現状レポート

(更新日:2016年9月21日)

利根川流域市民委員会

八ッ場ダム計画の行政上の上位計画は、利根川水系河川整備計画です。
八ッ場ダムに反対する利根川流域の多くの市民は、利根川水系河川整備計画に八ッ場ダム計画を位置づけることに反対する流域市民委員会を結成し、河川整備計画の民主的な策定を求めてきました。

利根川流域市民委員会の活動

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わが国の河川行政は、1990年代の長良川河口堰に対する反対運動を受けて、大きな転換点を迎えました。
1964年に「利水」を重視して制定された河川法は、1997年、「環境への配慮」「住民との対話」など、時代に即した目的を加えて改訂されることになります。
しかし実際の河川行政では、全国の各河川で、問題の解決には程遠い状況が続いています。
大型公共事業が問題となっている四国の吉野川、九州の球磨川(支流に川辺川)などでは、流域住民の運動を無視した国のあり方に、住民の反発が高まりました。
関西の淀川水系では、住民参加のモデルケースとされた淀川流域委員会が2006年10月、休止に追い込まれました。

八ッ場ダムの建設が予定されている吾妻川(手前)と利根川の合流点八ッ場ダム事業が進む関東・利根川水系はどうでしょうか。
国土交通省は、2005年10月より社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催し、2006年2月、利根川河川整備基本方針を決定しました。
利根川流域住民のほとんどは、国土交通省の内部で開かれた長々しい名称の会議のことも、そこで決定した利根川の「基本方針」のことも知りません。利根川流域で環境問題などに取り組んでいる人々は、国主導の河川行政に危機感を抱き、2006年5月、利根川流域市民委員会を発足させました。

利根川治水の基準点(群馬県伊勢崎市八斗島)国は「基本方針」に続いて、具体的なダム名を組み込んだ利根川水系河川整備計画の策定作業に向かいました 。
八ッ場ダム事業は 上位計画がない状態で進められてきましたが、「整備計画」の策定によって治水面で裏づけができるため、国は強行姿勢を貫き、2013年5月15日、八ッ場ダム計画を組み込んだ河川整備計画を策定しました。

利根川上流
利根川ではダム建設等の大規模開発事業が次々と行われ、かけがえのない自然が失われてきました。 利根川流域市民委員会はこれ以上の自然破壊を防ぐため、今なお進行中の大規模開発事業にストップをかけるとともに、過去の開発事業を見直して、かつての利根川の豊かな自然をできるだけ取り戻すこと、さらに、利根川流域住民の治水安全度を真に高める施策を実現させることを目標として活動しています。

共同代表

・佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
・嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
・浜田篤信(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議)

主な活動経過

2006年5月 利根川上中流部の調査ツアー
2006年9月 淀川水系流域委員会についての学習会
2006年11月 利根川下流部の調査ツアー
2006年11月
~2008年5月
国土交通省関東地方整備局による利根川水系河川整備計画の第一次策定作業に対して様々な活動(公開質問書、意見書の提出、公聴会での意見陳述、パブコメへの対応、有識者会議の傍聴呼びかけなど)
2007年5月 利根川の未来を市民の手に!シンポジウム「よりよい利根川水系河川整備計画の策定をめざして」
2012年5月 再結成集会「関東平野にも、脱ダムの風よ吹け! 利根川水系河川整備計画の出直しをチャンスに!」
2012年5月
~2013年4月
国土交通省関東地方整備局による利根川水系河川整備計画の第二次策定作業に対して様々な活動(公開質問書、意見書の提出、有識者会議の良識派委員との作戦会議、公聴会での意見陳述、パブコメへの対応など)
2012年7月 利根川中流部の“あぶない”堤防の現場を歩く見学会
2013年1月 利根川シンポジウム「ウナギが問う! 生物多様性から考える利根川河川整備計画」
2013年4月 ウナギが生息する利根川を取り戻そう ~利根川水系河川整備計画を市民の視点で!」
2013年4月 利根川堤防の現地見学会と学習会
(2013年5月 国土交通省関東地方整備局が利根川・江戸川河川整備計画(本川のみ)を策定)
2014年5月 利根川の堤防強化法についての国土交通省ヒアリング