八ッ場あしたの会は八ッ場ダムが抱える問題を伝えるNGOです

2012年総選挙・八ッ場ダムに関する群馬県内候補者アンケート

2012年12月2日

 八ッ場ダムをストップさせる群馬の会が来たる総選挙で群馬県内より出馬する各候補者へ公開アンケートを実施しました。
 その回答結果をお知らせいただきましたので、ご紹介します。
* 後から届いた回答(ごとう新氏、宮原田あやか氏)を追加して載せています。

○回答者(順不同・敬称略)
 群馬一区―宮崎岳志(民主党)、生方秀男(日本共産党)、ごとう新(日本未来の党)
 群馬二区―関口直久(日本共産党)
 群馬三区―柿沼正明(民主党)、糸井洋(日本共産党)
 群馬四区―青木和也(民主党)、渋澤哲男(日本共産党)、宮原田あやか(日本維新の会)
 群馬五区―萩原貞夫(日本共産党)、小林人志(社民党)

 群馬二区の石関貴史候補(日本維新の会)からは、「回答できない」とのお返事がありました。
 

1. 八ッ場ダムの本体工事は今も未着工です。本体工事をどうするべきと考えますか? 

(1)八ッ場ダムの本体工事を中止するべき。
   生方秀男、関口直久、糸井洋、渋澤哲男、萩原貞夫、小林人志、宮原田あやか

(2)本体工事に早急に着手するべき。
   

(3)八ッ場ダム計画の上位計画である利根川水系の河川整備計画に八ッ場ダム事業を位置づけられていない現状では、本体工事着工の是非は判断できない。
   宮崎岳志、柿沼正明、ごとう新
            
               

(4)その他
   青木和也(利根川水系河川整備計画の策定に当たって厳密に検証すれば、八ッ場ダムは必要なしとの結論になる。)
   

2. 八ッ場ダム事業には道路やJRの付け替えなど膨大な関連事業があり、それらの工事が大幅に遅れています。そのため、当初計画ではダム完成は2000年度でしたが、計画変更を繰り返し、現計画では完成は2015年度です。しかし民主党政権下のダム検証における国交省の試算では、ダム完成は本体工事に着工してから7年を要するとされ、前田国交大臣も2月2日の衆議院予算委員会でそのように答弁しました。一方、関係都県は現計画どおり2015年度完成を強く求めています。この問題についてのご見解をお示しください。

(1)八ッ場ダムは現在の計画どおり2015年度に完成させるべきである。
   

(2)八ッ場ダム事業の工期延長は必至であり、ダム計画を変更すべきである。
   柿沼正明、ごとう新

(3)八ッ場ダム事業を継続すれば、今後も工期延長を繰り返さなければならず、いつになったらダムが完成するかわからない。ダム計画を廃止すべきである。
   青木和也、生方秀男、関口直久、糸井洋、渋澤哲男、萩原貞夫、宮原田あやか

(4)その他
   宮崎岳志(官房長官裁定の条件が満たされなければ建設再開はできない。河川整備計画策定に向け検討が始まったが、利根川水系全体の計画策定に向けた検討会と位置付け出来ず、またその運営には疑義がある。官房長官裁定の趣旨に則り検討会で公平に検討される必要がある。)

3. 八ッ場ダム事業の主目的は「利根川の洪水調節」と「都市用水の供給」です。これらについてのご見解をお示しください。(複数回答可)

(1)利根川の洪水調節について、八ッ場ダムの効果はきわめて限定的である。
   宮崎岳志、柿沼正明、青木和也、生方秀男、関口直久、糸井洋、渋澤哲男、萩原貞夫、宮原田あやか

(2)首都圏は水余りの状況となっており、利水上の八ッ場ダムの必要性はない。
   宮崎岳志、青木和也、生方秀男、関口直久、糸井洋、渋澤哲男、萩原貞夫、宮原田あやか

(3)八ッ場ダムは治水・利水面で利根川流域住民に役立つ施設である。
   

(4)首都圏が水余りの状況になっている現在、ダムの計画規模を縮小するべきである。
   ごとう新

(5)利根川治水にとって八ッ場ダムの治水効果は乏しいため、利水を主目的とした計画に変更すべきである。

4. 八ッ場ダム予定地域は長年のダム事業によって多大な犠牲を被ってきました。
これらの地域に対して、国はどうするべきだと考えますか?

(1)八ッ場ダムの生活再建関連事業によって、地元住民の生活再建、地域振興を図る。
   柿沼正明

(2)八ッ場ダムの生活再建関連事業は行き詰まっており、ダム事業とは切り離した真の生活再建、地域振興策を図る必要がある。
   宮崎岳志、青木和也、生方秀男、関口直久、糸井洋、渋澤哲男、萩原貞夫、ごとう新、宮原田あやか

(3)その他                             

5. わが国の河川行政では、一旦始まったダム事業は中止が想定されておらず、事業中止後の法整備がありません。このため、長年のダム事業で衰退した地域では、事業中止後も地域の再生が困難な状況がみられます。この問題についてのご見解をお示しください。

(1)3月に国会に提出されたダム事業中止後の特措法案(ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法案)を国会に再提出する。
   宮崎岳志、柿沼正明、ごとう新

(2)国会に提出された法案は不十分であるので、ダム事業中止後の法案を新たに作り、国会に提出する。
   青木和也、生方秀男、関口直久、糸井洋、渋澤哲男、萩原貞夫、宮原田あやか

(3)ダム事業中止後の法整備に取り組む必要はない。   

6. 八ッ場ダム予定地は地質が脆弱であり、ダム湛水による地すべり等の災害誘発の危険性が懸念されています。昨年、国交省は八ッ場ダム検証において、新たな地すべり対策、代替地の安全対策を提示しましたが、これらの対策も地質の専門家らからきわめて不十分と指摘されています。この問題についてのご見解をお示しください。

(1)八ッ場ダム検証前の安全対策で問題ない。

(2)昨年のダム検証で国交省が示した安全対策を実施すれば問題ない。

(3)ダム湛水による危険性がないよう、改めて十分な地質調査を実施して対策を講じた後に本体工事に着工するべきである。
   柿沼正明、ごとう新

(4)地すべり等のリスクを回避するためには、新たに膨大な予算を必要とし、またダム湖予定地周辺住民にも多大な犠牲を強いる可能性があるので、ダム本体工事に着工するべきではない。
   宮崎岳志、青木和也、生方秀男、関口直久、糸井洋、渋澤哲男、萩原貞夫、宮原田あやか

7. 国交省は八ッ場ダムの本体工事に着工するため、利根川の河川整備計画を策定しようとしていますが、これは本川のみの計画であり、官房長官裁定が求めた利根川水系全体の計画ではありません。また、国交省が提示した計画案に対して、有識者会議では科学的根拠がないとの指摘が相次ぎ、パブリックコメントでも9割以上の意見が国交省案に反対であることが明らかになっています。利根川流域住民の安全に大きな影響を及ぼすこの問題についてのご見解をお示しください。(複数回答可)

(1)現在、国交省が進めているやり方で問題ない。

(2)支川の状況は本川に影響を及ぼすので、本川のみの整備計画を進めるのではなく、水系全体の整備計画を策定するべきである。
   宮崎岳志、柿沼正明、青木和也、生方秀男、関口直久、糸井洋、渋澤哲男、萩原貞夫、ごとう新

(3)有識者会議やパブリックコメントの反対意見を尊重すべきである。
   青木和也、生方秀男、関口直久、糸井洋、渋澤哲男、萩原貞夫、宮原田あやか