農水省の大蘇ダム、当初計画から34年遅れで間もなく完成か

 農林水産省が管理する大蘇ダム(熊本県産山村)は、貯水湖の湖底から水が漏れて貯水できないダムとしてテレビ等でも取り上げられてきました。
 その大蘇ダムの漏水防止対策がようやく終わり、試験湛水で満水になったとのことです。
 大蘇ダムは当初計画では1986年に供用が開始される予定でしたが、本体工事は難航を極め、4半世紀もの時間を要しました。さらに、2005年にダム本体完成後、試験湛水を行ったところ、水漏れが明らかになり、14年かけて対策工事を行いました。事業費も130億円から720億円に膨れ上がりました。
右画像=大蘇ダム(熊本県産山村ホームページより)。

〈参考ページ〉
農林水産省九州農政局 大蘇ダム事業概要
あしたの会HP「水漏れ問題かかえる農水省の大蘇ダム、2020年度の供用開始後は地元管理へ」(2019年3月7日)

◆2019年9月27日 大分合同新聞
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2019/09/27/JD0058523701
ー大蘇ダム、34年遅れで来春供用 竹田市に農業用水供給ー

  竹田市荻町と菅生、久住町の一部に農業用水を供給する大蘇ダム(熊本県産山村)で、来年4月の供用開始に向けた準備が進んでいる。水漏れ対策の追加工事が終了。異常を調べる試験湛水(たんすい)でダムは満水になった。国土交通省による検査を受け、完成する。同ダムを含む国営大野川上流土地改良事業は、当初計画から34年遅れで完了する見通しになった。

 九州農政局大野川上流農業水利事務所などによると、大蘇ダムは1979年に本体工事に着手。当初計画では86年からの供用を予定していた。阿蘇火山起源の複雑な地層だったため、掘削時に亀裂が見つかるなどして工事は難航。2005年に完成したものの、試験湛水でダム湖地盤からの水漏れが確認された。

 13年度から漏水対策工事を進め、壁面に厚さ10センチのコンクリートを吹き付け、湖底は水を通しにくい粘土質の土で覆った。これまでに3度の事業計画の変更があり、総事業費は当初の130億円から720億6千万円へと約5・5倍に膨らんだ。

 工事は今年6月9日までに終了。大蘇川から取水し、ダム湖は8月28日に430万立方メートル分が満水になった。点検で問題になるような点は認められず、西野徳康所長は「浸水性の高い軽石の地層があったことで対策に時間を要した。工事の効果は十分に表れている」と説明する。

 10月から試験湛水の水位降下を利用し、荻町と菅生の農地へ給水が始まる。荻町高練木のトマト農家小出美紀夫さん(65)は「水の確保に苦労をしてきた。必要なときに使えるようになり、安心して栽培ができる」と期待する。

 年明けに完成式典が開かれる予定。施設管理は大分、熊本両県の2市1村と各地区の土地改良区で構成する大野川上流地域維持管理協議会が担う。

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国営大野川上流土地改良事業
 竹田市と熊本県阿蘇市、産山村の農地に農業用水を安定供給するため、大蘇ダムと2カ所の揚水機場、12路線の用水路(総延長36.4キロ)などを整備するもの。受益面積1865ヘクタールのうち約9割に当たる1604ヘクタールを竹田市が占める。